The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 10, 2014 Vol. 370 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

治療抵抗性高血圧に対する腎除神経術の比較対照試験
A Controlled Trial of Renal Denervation for Resistant Hypertension

D.L. Bhatt and Others

背景

先行の非盲検試験では,治療抵抗性高血圧患者にカテーテルを用いた腎動脈除神経術を行うことで血圧の低下がみられることが示唆されている.

方 法

前向き単盲検無作為化偽手術対照試験をデザインした.治療抵抗性の重症高血圧患者を,腎除神経術群と偽手術群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.患者は無作為化前に,利尿薬(至適用量)を含む 3 剤以上の降圧薬レジメンを,薬剤を変更することなく最大耐用量で投与されていた.主要有効性評価項目は,診察室で測定した収縮期血圧の 6 ヵ月の時点における変化とした.副次的有効性評価項目は,24 時間自由行動下で測定した収縮期血圧の平均値の変化とした.主要安全性評価項目は,死亡,末期腎不全(ESRD),末端器官障害につながる塞栓イベント,腎血管系合併症,1 ヵ月の時点における高血圧クリーゼまたは 6 ヵ月の時点における 70%超の腎動脈狭窄の新規発生とした.

結 果

535 例が無作為化された.6 ヵ月の時点における収縮期血圧の変化の平均値(±SD)は,除神経術群では -14.13±23.93 mmHg であったのに対し,偽手術群では -11.74±25.94 mmHg で(ベースラインからの変化の比較はいずれも P<0.001),差は -2.39 mmHg であった(95%信頼区間 [CI] -6.89~2.12,優越性マージン 5 mmHg で P=0.26).24 時間自由行動下収縮期血圧の変化は,除神経術群では -6.75±15.11 mmHg,偽手術群では -4.79±17.25 mmHg で,差は -1.96 mmHg であった(95% CI -4.97~1.06,優越性マージン 2 mmHg で P=0.98).安全性には群間で有意差は認められなかった.

結 論

今回の盲検試験では,治療抵抗性高血圧患者に対する腎動脈除神経術により,偽手術と比較して 6 ヵ月後の収縮期血圧に有意な低下は示されなかった.(Medtronic 社から研究助成を受けた.SYMPLICITY HTN-3 ClinicalTrials.gov 番号:NCT01418261)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 1393 - 401. )