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February 6, 2014 Vol. 370 No. 6

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1 価ロタウイルスワクチン接種後の腸重積のリスク
Risk of Intussusception after Monovalent Rotavirus Vaccination

E.S. Weintraub and Others

背景

現在のロタウイルスワクチンは,承認前の大規模試験では腸重積のリスク上昇との関連は認められなかったが,国際的な環境での最近の承認後データから,1 価ロタウイルスワクチンの接種後に腸重積のリスクがわずかに上昇する可能性が示唆されている.われわれは米国のある集団においてこのリスクを検討した.

方 法

ワクチン安全性データリンク(VSD)プロジェクトに参加している 6 つの統合医療機関で登録された,生後 4~34 週の乳児を対象とした.2008 年 4 月~2013 年 3 月に,1 価ロタウイルスワクチン接種後 7 日以内に認められた腸重積に関する診療録と受診を再検討した.次に,逐次解析を用いて,1 価ロタウイルスワクチンを接種された児における腸重積リスクを,過去の背景発生率と比較した.さらに,1 価ロタウイルスワクチン接種後のリスクを,5 価ロタウイルスワクチンを同時期に接種された乳児のコホートにおけるリスクと比較した.

結 果

研究期間中,VSD 集団では 1 価ロタウイルスワクチンは 207,955 回接種された(初回接種 115,908 回,2 回目の接種 92,047 回).いずれかの回の接種後 7 日以内に発生した腸重積は 6 例同定された.2 回の接種を合わせると腸重積の期待症例数は 0.72 であり,相対リスクは 8.4 と有意であった.5 価ロタウイルスワクチンは研究期間中に 1,301,810 回接種され,腸重積は 8 例認められ(期待症例数 7.11),相対リスクは 1.1 と有意ではなかった.1 価ロタウイルスワクチン接種後 7 日以内のカルテで確認された腸重積の,5 価ロタウイルスワクチン接種後と比較した相対リスクは 9.4(95%信頼区間 1.4~103.8)であった.1 価ロタウイルスワクチンを 2 回接種後の腸重積の寄与リスクは,接種 100,000 人あたり 5.3 と推定された.

結 論

200,000 回を超える 1 価ロタウイルスワクチン接種を調査したこの前向き承認後研究では,ワクチン接種後,腸重積発生率に有意な上昇が認められた.このリスクは,ロタウイルス関連疾患の予防から得られる利益と比較検討すべきである.(米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 513 - 9. )