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February 20, 2014 Vol. 370 No. 8

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進行子宮頸癌におけるベバシズマブによる生存期間の延長
Improved Survival with Bevacizumab in Advanced Cervical Cancer

K.S. Tewari and Others

背景

血管新生を促進する血管内皮増殖因子(VEGF)は,子宮頸癌の疾患進行のメディエーターである.ベバシズマブは,抗 VEGF ヒト化モノクローナル抗体であり,以前に治療された再発癌に対して単剤での活性を有する.子宮頸癌が再発した患者の多くは,すでに放射線療法とともにシスプラチン投与を受けているため,再発時のシスプラチンの有効性が低下する.われわれは,再発,持続性,または転移性子宮頸癌の患者を対象として,ベバシズマブと非白金製剤を併用する化学療法の有効性を検討した.

方 法

2×2 要因デザインを用いて,患者 452 例を,化学療法にベバシズマブ 15 mg/kg 体重を併用する群と併用しない群に無作為に割り付けた.化学療法は,シスプラチン 50 mg/m2 体表面積+パクリタキセル 135 mg/m2 もしくは 175 mg/m2,または 1~3 日目にトポテカン(ノギテカン)0.75 mg/m2+1 日目にパクリタキセル 175 mg/m2 とした.投与サイクルは,増悪,忍容できない毒性の発現,または完全奏効が認められるまで,21 日ごとに繰り返した.主要評価項目は全生存期間とし,死亡のハザード比の 30%低下を「臨床的に重要」とみなした.

結 果

年齢,組織学的所見,パフォーマンスステータス,以前の放射線増感白金製剤使用の有無,疾患の状態は,群間で均衡がとれていた.トポテカン+パクリタキセルはシスプラチン+パクリタキセルと比較して優れてはいなかった(死亡のハザード比 1.20).2 つの化学療法レジメンのデータを合わせると,化学療法へのベバシズマブの追加は,全生存期間の延長(17.0 ヵ月 対 13.3 ヵ月,死亡のハザード比 0.71,98%信頼区間 0.54~0.95,片側検定の P=0.004)と,奏効率の上昇(48% 対 36%,P=0.008)に関連していた.ベバシズマブは,化学療法単独と比較して,グレード 2 以上の高血圧(25% 対 2%),グレード 3 以上の血栓塞栓イベント(8% 対 1%),グレード 3 以上の胃腸管瘻(3% 対 0%)の発生率の上昇と関連していた.

結 論

再発,持続性,または転移性子宮頸癌の患者において,ベバシズマブの併用化学療法への追加は,全生存期間中央値の 3.7 ヵ月の延長と関連していた.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.GOG 240 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00803062)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 734 - 43. )