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February 27, 2014 Vol. 370 No. 9

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中国におけるエンテロウイルス 71 型ワクチンの有効性,安全性,免疫原性
Efficacy, Safety, and Immunogenicity of an Enterovirus 71 Vaccine in China

F. Zhu and Others

背景

エンテロウイルス 71 型(EV71)は,手足口病またはヘルパンギーナの世界的流行の原因となっている主な病原体の一つである.この第 3 相試験は,EV71 ワクチンの有効性,安全性,免疫原性を評価することを目的としてデザインされた.

方 法

多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において,10,007 人の健常な乳幼児(生後 6~35 ヵ月)を,EV71 ワクチンを 28 日間隔で 2 回筋肉内接種する群とプラセボを接種する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.サーベイランス期間は 12 ヵ月であった.主要エンドポイントは EV71 に関連する手足口病またはヘルパンギーナの発生とした.

結 果

12 ヵ月のサーベイランス期間に,intention-to-treat コホートでは,ワクチン接種児の 0.3%(5,041 人中 13 人)とプラセボ接種児の 2.1%(5,028 人中 106 人)で EV71 関連疾患が同定された.EV71 に関連する手足口病またはヘルパンギーナに対するワクチンの有効率は,このコホートでは 94.8%(95%信頼区間 [CI] 87.2~97.9,P<0.001)であった.EV71 に関連する入院(0 例 対 24 例)と,神経合併症を伴う手足口病(0 例 対 8 例)に対するワクチンの有効率はいずれも 100%(95% CI はそれぞれ 83.7~100,42.6~100)であった.重篤な有害事象はワクチン群の 5,044 人中 111 人(2.2%)と,プラセボ群の 5,033 人中 131 人(2.6%)に発生した.免疫原性に関するサブグループ(1,291 人)では,ワクチンの連続 2 回接種により,56 日目の時点で接種児の 98.8%で抗 EV71 免疫応答が誘導された.抗 EV71 中和抗体価 1:16 が,EV71 に関連する手足口病またはヘルパンギーナの予防と関連した.

結 論

乳幼児に対する EV71 ワクチン接種によって,EV71 に関連する手足口病またはヘルパンギーナが予防された.(Sinovac Biotech 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01507857)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 818 - 28. )