March 13, 2014 Vol. 370 No. 11
再発慢性リンパ性白血病に対するイデラリシブとリツキシマブの併用
Idelalisib and Rituximab in Relapsed Chronic Lymphocytic Leukemia
R.R. Furman and Others
臨床的に重大な併存疾患を有する再発慢性リンパ性白血病(CLL)患者は,標準化学療法を受けることができない.この患者集団には,忍容可能な副作用プロファイルをもつ有効な治療が必要である.
多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験において,ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼδアイソフォームの経口阻害薬であるイデラリシブ(idelalisib)をリツキシマブと併用した場合の有効性と安全性を,リツキシマブとプラセボの併用と比較評価した.腎機能低下,前治療による骨髄抑制,重大な併存疾患のいずれかを有する患者 220 例を,リツキシマブとイデラリシブ(用量 150 mg)を 1 日 2 回投与する群と,リツキシマブとプラセボを 1 日 2 回投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存とした.事前に規定した 1 回目の中間解析で圧倒的な有効性が認められたため,データ安全性モニタリング委員会の勧告により試験は早期に中止された.
無増悪生存期間中央値はプラセボ群 5.5 ヵ月,イデラリシブ群は未到達であった(イデラリシブ群の増悪または死亡のハザード比 0.15,P<0.001).イデラリシブ群では,プラセボ群と比較して全奏効率(81% 対 13%,オッズ比 29.92,P<0.001)と 12 ヵ月の時点での全生存率(92% 対 80%,死亡のハザード比 0.28,P=0.02)が改善した.重篤な有害事象はイデラリシブ+リツキシマブ投与患者の 40%と,プラセボ+リツキシマブ投与患者の 35%で発生した.
化学療法を受けることができない再発 CLL 患者において,イデラリシブとリツキシマブの併用により,プラセボとリツキシマブの併用と比較して,無増悪生存,奏効率,全生存が有意に改善した.(Gilead 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01539512)