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September 25, 2014 Vol. 371 No. 13

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静脈瘤の治療法を比較する無作為化試験
A Randomized Trial Comparing Treatments for Varicose Veins

J. Brittenden and Others

背景

静脈瘤に対しては,外科手術に代わる治療法として超音波ガイド下フォーム硬化療法と血管内レーザー焼灼術が広く用いられている.しかし,これらの治療法の有効性および安全性の比較は行われていない.

方 法

英国の 11 施設における下肢静脈瘤の患者 798 例を対象とした無作為化試験において,フォーム硬化療法,レーザー焼灼術,外科手術後の転帰を比較した.6 ヵ月の時点における主要評価項目は,複数の尺度で評価する疾患特異的 QOL と包括的 QOL とした.副次的評価項目は,合併症,臨床的成功の指標などとした.

結 果

ベースラインのスコアとその他の共変量で補正すると,疾患特異的 QOL の平均は,フォーム硬化療法後のほうが外科手術後よりもわずかに低かったが(P=0.006),レーザー焼灼術群と外科手術群では同程度であった.包括的 QOL の指標に関して,外科手術群と,フォーム硬化療法群,レーザー焼灼術群とのあいだに有意差は認められなかった.手技関連合併症の頻度はフォーム硬化療法群(6%)と外科手術群(7%)は同程度であったが,レーザー焼灼術群(1%)は外科手術群よりも低かった(P<0.001).重篤な有害事象の頻度(およそ 3%)は,3 群で同程度であった.臨床的成功の指標は 3 群で同程度であったが,伏在静脈本幹の治療の成功頻度は,フォーム硬化療法群のほうが外科手術群よりも低かった(P<0.001).

結 論

QOL の評価は,フォーム硬化療法群の疾患特異的 QOL が外科手術群よりもわずかに低かったこと以外は,3 群でおおむね同程度であった.いずれの治療法も臨床的有効性は同程度であったが,合併症の頻度はレーザー焼灼術後のほうが低く,除去率はフォーム硬化療法後のほうが低かった.(英国国立健康研究所医療技術評価プログラムから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN51995477)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1218 - 27. )