The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 9, 2014 Vol. 371 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

2 型糖尿病における血圧降下と血糖コントロールの追跡調査
Follow-up of Blood-Pressure Lowering and Glucose Control in Type 2 Diabetes

S. Zoungas and Others

背景

糖尿病と血管疾患における作用:Preterax と放出調節製剤 Diamicron の対照評価(ADVANCE)要因試験では,2 型糖尿病患者に対してペリンドプリルとインダパミドを併用することで死亡率が低下したが,糖化ヘモグロビン値 6.5%未満を目標とする強化血糖コントロールでは低下しなかった.今回は試験後 6 年間の追跡調査の結果を報告する.

方 法

ADVANCE 試験でペリンドプリル+インダパミドまたはプラセボ,強化血糖コントロールまたは標準血糖コントロール(血糖コントロールの比較はさらに 6 ヵ月間延長)に割り付けられ,生存している患者に,追跡調査への参加を呼びかけた.主要評価項目は,全死因死亡と主要大血管イベントとした.

結 果

ADVANCE 試験で無作為化された 11,140 例と,中央値 5.9 年間(血圧降下比較)または 5.4 年間(血糖コントロール比較)の追跡調査に参加した 8,494 例とで,患者背景は類似していた.ADVANCE 試験中に認められた血圧および糖化ヘモグロビン値における群間の差は,試験後最初の来院時には明らかでなくなっていた.試験中に積極的降圧治療を受けた群で認められた全死因死亡と心血管死亡のリスク低下は,追跡調査終了の時点で減弱していたが,有意であり,ハザード比はそれぞれ 0.91(95%信頼区間 [CI] 0.84~0.99,P=0.03),0.88(95% CI 0.77~0.99,P=0.04)であった.強化血糖コントロール群と標準血糖コントロール群とでは,追跡調査期間中に,全死因死亡リスクにも主要大血管イベントリスクにも差は認められず,ハザード比はそれぞれ 1.00(95% CI 0.92~1.08),1.00(95% CI 0.92~1.08)であった.

結 論

ADVANCE 試験で降圧療法に割り付けられた患者に認められた死亡に関する利益は,追跡調査終了の時点で減弱していたが,依然として明らかであった.試験中の強化血糖コントロールには,死亡および大血管イベントに関して長期的な利益をもたらすというエビデンスは認められなかった.(オーストラリア国立保健医療研究委員会ほかから研究助成を受けた.ADVANCE-ON 試験:Clinical Trials.gov 登録番号 NCT00949286)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1392 - 406. )