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October 16, 2014 Vol. 371 No. 16

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西アフリカにおけるエボラウイルス病 ― 流行の最初の 9 ヵ月および今後の見通し
Ebola Virus Disease in West Africa ― The First 9 Months of the Epidemic and Forward Projections

WHO Ebola Response Team

背景

2014 年 3 月 23 日,世界保健機関(WHO)はギニアにおけるエボラウイルス病(EVD)の集団発生について通知を受けた.8 月 8 日,WHO はこの流行を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると宣言した.

方 法

2014 年 9 月 14 日までに,EVD(ザイール種)により,2,296 例の死亡例を含む,計 4,507 例のほぼ確実例および確定例が,ギニア,リベリア,ナイジェリア,セネガル,シエラレオネの西アフリカ 5 ヵ国から報告されている.われわれは,9 月 14 日の時点でギニア,リベリア,ナイジェリア,シエラレオネで収集された,エボラウイルス病の確定例 3,343 例およびほぼ確実例 667 例に関するデータの詳細なサブセットを分析した.

結 果

患者の大半は 15~44 歳(男性 49.9%)であり,感染の臨床転帰が明らかにされている人々における致死率は 70.8%(95%信頼区間 [CI] 69~73)と推定された.徴候および症状,潜伏期間(11.4 日),感染間隔(15.3 日)といった感染の経過は,EVD の過去の集団発生で報告されたものと類似していた.急激な増加がみられた最初の期間に基づくと,推定基本再生産数(R0)はギニアで 1.71(95% CI 1.44~2.01),リベリアで 1.83(95% CI 1.72~1.94),シエラレオネで 2.02(95% CI 1.79~2.26)であった.9 月 14 日の時点で,推定再生産数(R)はギニアで 1.81(95% CI 1.60~2.03),リベリアで 1.51(95% CI 1.41~1.60),シエラレオネで 1.38(95% CI 1.27~1.51)であり,対応する倍加時間はギニアで 15.7 日(95% CI 12.9~20.3),リベリアで 23.6 日(95% CI 20.2~28.2),シエラレオネで 30.2 日(95% CI 23.6~42.3)であった.今回の流行への対策に変更がなかった場合,2014 年 11 月 2 日までに,確定例およびほぼ確実例の累積報告数はギニアで 5,740 例,リベリアで 9,890 例,シエラレオネで 5,000 例,全体では 20,000 例を超えると予測される.

結 論

これらのデータから,対策を大幅に改善しなければ,1 週間あたりの EVD による症例数および死亡数は,今後数ヵ月で,数百から数千へと増加し続けるであろうことが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1481 - 95. )