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July 31, 2014 Vol. 371 No. 5

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化学療法歴のない転移性前立腺癌に対するエンザルタミド
Enzalutamide in Metastatic Prostate Cancer before Chemotherapy

T.M. Beer and Others

背景

経口アンドロゲン受容体阻害薬エンザルタミドは,化学療法後に進行した転移性去勢抵抗性前立腺癌男性の生存期間を延長させる.アンドロゲン除去療法を行ったにもかかわらず進行した,化学療法歴のない転移性前立腺癌患者における新たな治療選択肢が必要とされている.

方 法

二重盲検第 3 相試験において,患者 1,717 例をエンザルタミド(160 mg)群とプラセボ群に無作為に割り付け,1 日 1 回投与した.複合主要評価項目は,画像診断による無増悪生存および全生存とした.

結 果

540 例の死亡が報告された時点で予定されていた中間解析にて,積極的治療の利益が認められたため試験は中止された.12 ヵ月の時点での画像診断による無増悪生存率は,エンザルタミド群で 65%であったのに対し,プラセボ群では 14%であった(81%のリスク低下,エンザルタミド群におけるハザード比 0.19,95%信頼区間 [CI] 0.15~0.23,P<0.001).データカットオフ日の時点で生存していた患者は,エンザルタミド群で 626 例(72%)であったのに対し,プラセボ群では 532 例(63%)であった(29%の死亡リスク低下,ハザード比 0.71,95% CI 0.60~0.84,P<0.001).エンザルタミドの利益は,細胞傷害性化学療法を開始するまでの期間(ハザード比 0.35),骨関連事象の初回発生までの期間(ハザード比 0.72),軟部組織の完全奏効または部分奏効(59% 対 5%),前立腺特異抗原(PSA)上昇までの期間(ハザード比 0.17),および PSA 値が 50%以上低下した患者の割合(78% 対 3%)(すべての比較について P<0.001)を含む,すべての副次的評価項目について認められた.エンザルタミド投与に関連する臨床的に意義のある有害事象として多かったものは,疲労と高血圧であった.

結 論

エンザルタミドは,転移性前立腺癌男性における画像診断による増悪および死亡のリスクを有意に低下させ,化学療法の開始を有意に遅延させた.(Medivation 社および Astellas Pharma 社から研究助成を受けた.PREVAIL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01212991)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 424 - 33. )