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September 4, 2014 Vol. 371 No. 10

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多発性骨髄腫における自家幹細胞移植と維持療法
Autologous Transplantation and Maintenance Therapy in Multiple Myeloma

A. Palumbo and Others

背景

この非盲検無作為化第 3 相試験では,新たに多発性骨髄腫と診断された患者を対象に,メルファラン 200 mg/m2 体表面積+自家幹細胞移植とメルファラン+プレドニゾン(prednisone)+レナリドミド(MPR)療法とを比較し,維持療法としてレナリドミドを用いた場合と維持療法なしとを比較した.

方 法

65 歳以下の患者 273 例を,導入療法後の地固め療法として行う高用量メルファラン投与+幹細胞移植または MPR 療法に無作為に割り付け,その後,251 例をレナリドミドによる維持療法または維持療法なしに無作為に割り付けた.主要評価項目は無増悪生存期間とした.

結 果

追跡期間中央値は 51.2 ヵ月であった.無増悪生存期間と全生存期間はいずれも,高用量メルファラン投与+幹細胞移植を行った患者のほうが,MPR 療法を行った患者よりも有意に延長した(無増悪生存期間の中央値 43.0 ヵ月 対 22.4 ヵ月,増悪または死亡のハザード比 0.44,95%信頼区間 [CI] 0.32~0.61,P<0.001;4 年全生存率 81.6% 対 65.3%,死亡のハザード比 0.55,95% CI 0.32~0.93,P=0.02).無増悪生存期間の中央値は,レナリドミドによる維持療法を行った患者で,維持療法なしの患者よりも有意に延長したが(41.9 ヵ月 対 21.6 ヵ月,増悪または死亡のハザード比 0.47,95% CI 0.33~0.65,P<0.001),3 年全生存率に有意な改善効果は認められなかった(88.0% 対 79.2%,死亡のハザード比 0.64,95% CI 0.36~1.15,P=0.14).グレード 3 または 4 の好中球減少症は,高用量メルファラン投与例で MPR 投与例よりも有意に高頻度に認められ(94.3% 対 51.5%),消化器系有害事象(18.4% 対 0%)と感染症(16.3% 対 0.8%)も同様であった.レナリドミドによる維持療法を行った患者では,維持療法なしの患者と比較して,好中球減少症と皮膚毒性作用の頻度が高かった(それぞれ 23.3% 対 0%,4.3% 対 0%).

結 論

65 歳以下の多発性骨髄腫患者では,地固め療法として行った高用量メルファラン+幹細胞移植により,MPR 療法を行った場合と比較して,無増悪生存期間と全生存期間が有意に延長した.レナリドミドによる維持療法は,維持療法なしと比較して,無増悪生存期間が有意に延長した.(Celgene 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00551928)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 895 - 905. )