The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 29, 2015 Vol. 372 No. 5

妊娠中の高血圧の緩やかなコントロールと厳格なコントロールとの比較
Less-Tight versus Tight Control of Hypertension in Pregnancy

L.A. Magee and Others

背景

妊娠中の高血圧を緩やかにコントロールした場合と厳格にコントロールした場合とで,妊娠合併症への影響が異なるかどうかは明らかにされていない.

方 法

妊娠 14 週 0 日~33 週 6 日の女性で,蛋白尿を伴わず,妊娠前からの高血圧または妊娠高血圧を有し,外来拡張期血圧が 90~105 mmHg(降圧薬を使用している場合は 85~105 mmHg)で,胎児が生存している例を対象に,多国間多施設共同非盲検試験を行った.女性を,緩やかなコントロール(目標拡張期血圧 100 mmHg)と厳格なコントロール(目標拡張期血圧 85 mmHg)に無作為に割り付けた.複合主要評価項目は,妊娠喪失または生後 28 日間における48 時間を超える高度の新生児ケアとした.副次的評価項目は,産後 6 週まで,または退院までのいずれか遅いほうに発生した,重篤な母体合併症とした.

結 果

987 例を解析の対象とした.74.6%が妊娠前から高血圧を有していた.平均拡張期血圧は,緩やかなコントロール群のほうが 4.6 mmHg(95%信頼区間 [CI] 3.7~5.4)高かったにもかかわらず,主要評価項目の比率は,緩やかなコントロール群の 493 例と厳格なコントロール群の 488 例とで同程度であり(それぞれ 31.4%と 30.7%,補正オッズ比 1.02,95% CI 0.77~1.35),重篤な母体合併症の比率も同程度であった(それぞれ 3.7%と 2.0%,補正オッズ比 1.74,95% CI 0.79~3.84).重症高血圧(収縮期血圧 160 mmHg 以上または拡張期血圧 110 mmHg 以上)は,緩やかなコントロール群の 40.6%,厳格なコントロール群の 27.5%で生じた(P<0.001).

結 論

妊娠中の高血圧の緩やかなコントロールは,母体の重症高血圧の頻度が厳格なコントロールと比較して有意に高いことに関連していたものの,妊娠喪失,高度の新生児ケア,母体合併症全般のリスクには群間で有意差が認められなかった.(カナダ保健研究機構から研究助成を受けた.CHIPS 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN71416914,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01192412)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 372 : 407 - 17. )