February 26, 2015 Vol. 372 No. 9
米国における Clostridium difficile 感染症の負荷
Burden of Clostridium difficile Infection in the United States
F.C. Lessa and Others
米国における Clostridium difficile 感染症の規模と範囲は広がり続けている.
2011 年,米国の 10 の地域において,C. difficile 感染症例(1 歳以上の居住者の糞便検体を用いたトキシンアッセイまたは分子アッセイで陽性例)を同定するため,人口ベース・検査室ベースの積極的サーベイランスを行った.症例を市中感染と医療関連感染に分類した.C. difficile 感染症例のサンプルにおいて,検体を培養し,分離株の分子タイピングを行った.回帰モデルを用いて,米国内における感染症の発生率と総数,初回再発数,C. difficile 感染症診断後 30 日以内の推定死亡数を算出した.
10 地域で C. difficile 感染症 15,461 例が同定された.そのうち 65.8%は医療関連感染であったが,入院中の発症は 24.2%程度であった.感染発生の予測因子で補正すると,米国における新規 C. difficile 感染は推定 453,000 例(95%信頼区間 [CI] 397,100~508,500)であった.発生率は,女性(発生率比 1.26,95% CI 1.25~1.27),白人(発生率比 1.72,95% CI 1.56~2.0),65 歳以上(発生率比 8.65,95% CI 8.16~9.31)で高くなると推定された.C. difficile 感染症の推定初回再発は 83,000 例(95% CI 57,000~108,900)で,推定死亡数は 29,300 例(95% CI 16,500~42,100)であった.北米パルスフィールドゲル電気泳動 1 型(NAP1)株が,医療関連感染例において,市中感染例よりも高頻度に認められた(30.7% 対 18.8%,P<0.001).
2011 年,C. difficile はおよそ 500,000 例の感染症の原因であり,約 29,000 例の死亡に関連していた.(米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)