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September 17, 2015 Vol. 373 No. 12

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完全植込み型心腔内リードレスペースメーカーの経皮的植込み
Percutaneous Implantation of an Entirely Intracardiac Leadless Pacemaker

V.Y. Reddy and Others

背景

心臓ペースメーカーは,デバイス関連合併症,とくに感染症やペースメーカーのリードに関連する問題による限界がある.カテーテルを用いて,非観血的に右室に植え込む全内蔵型小型リードレスペースメーカーについて検討した.

方 法

恒久的心室単腔ペーシングを必要とする患者に,能動的固定リードレス心臓ペースメーカーを植え込む多施設共同試験を行った.主要有効性エンドポイントは,6 ヵ月の期間における忍容可能なペーシング閾値(0.4 msec で≦2.0 V)および忍容可能な検出振幅(R 波が≧5.0 mV,または植込み時の値と同等あるいはそれ以上)の複合とした.主要安全性エンドポイントは,6 ヵ月の期間においてデバイス関連の重篤な有害事象がないこととした.試験は進行中であり,6 ヵ月間の追跡調査を終了した最初の 300 例(第一コホート)のデータをもとに,事前に規定した主要エンドポイント解析を行った.有効性・安全性エンドポイントの発生率を,達成目標であるそれぞれ 85%および 86%(過去のデータに基づく)と比較した.2015 年 6 月の時点で登録されている全 526 例(全コホート)で,その他の転帰について評価した.

結 果

リードレスペースメーカーの植込みは,全コホート 526 例中 504 例(95.8%)で成功した.intention-to-treat 集団における主要有効性エンドポイントは,第一コホート 300 例中 270 例で達成され(90.0%,95%信頼区間 [CI] 86.0~93.2,P=0.007),主要安全性エンドポイントは 300 例中 280 例で達成された(93.3%,95% CI 89.9~95.9,P<0.001).6 ヵ月の時点で,デバイス関連の重篤な有害事象は 6.7%で発生し,デバイスの経皮的摘出を行ったデバイス脱落(1.7%),心穿孔(1.3%),経皮的摘出・デバイス交換を要するペーシング閾値上昇(1.3%)などが認められた.

結 論

リードレス心臓ペースメーカーは,患者の大部分で,事前に規定したペーシングおよび検出の要件を満たした.デバイス関連の重篤な有害事象は約 15 例に 1 例の割合で発生した.(St. Jude Medical 社から研究助成を受けた.LEADLESS II 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02030418)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 1125 - 35. )