October 1, 2015 Vol. 373 No. 14
乾癬に対するブロダルマブとウステキヌマブの第 3 相比較試験
Phase 3 Studies Comparing Brodalumab with Ustekinumab in Psoriasis
M. Lebwohl and Others
早期臨床試験で,抗インターロイキン-17 受容体 A モノクローナル抗体ブロダルマブ(brodalumab)は乾癬の治療に有効であることが示唆された.
2 件の第 3 相試験(AMAGINE-2 試験,AMAGINE-3 試験)において,中等度~重度の乾癬患者を,ブロダルマブを投与する群(210 mg または 140 mg を 2 週ごと),ウステキヌマブを投与する群(体重 100 kg 以下の患者には 45 mg,100 kg 超の患者には 90 mg),プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.12 週の時点で,ブロダルマブ投与中の患者は,ブロダルマブ維持レジメンとして 210 mg の 2 週ごとの投与,または 140 mg の 2 週ごと,4 週ごと,8 週ごとの投与に再度割り付けた.ウステキヌマブ投与中の患者はウステキヌマブの 12 週ごとの投与を継続し,プラセボ投与中の患者はブロダルマブ 210 mg の 2 週ごとの投与に切り替えた.主要評価目標は,12 週の時点でのブロダルマブのプラセボに対する優越性を,乾癬の面積・重症度指数スコアの 75%以上の減少(PASI 75)と,医師による静的全般的評価(sPGA)スコア 0 または 1(皮膚病変が消失またはほぼ消失)に基づいて評価し,また 12 週の時点でのブロダルマブのウステキヌマブに対する優越性を,PASI スコアの 100%減少(PASI 100)に基づいて評価することとした.
12 週の時点で,PASI 75 反応率は,ブロダルマブ 210 mg 群と 140 mg 群のほうがプラセボ群よりも高かった(それぞれ 86%と67% 対 8% [AMAGINE-2],85%と 69% 対 6% [AMAGINE-3];P<0.001).sPGA スコア 0 または 1 の達成率もブロダルマブ群のほうが高かった(P<0.001).12 週の時点での PASI 100 反応率は,ブロダルマブ 210 mg 群のほうがウステキヌマブ群よりも有意に高かった(44% 対 22% [AMAGINE-2],37% 対 19% [AMAGINE-3];P<0.001).ブロダルマブ 140 mg 群における PASI 100 反応率は,AMAGINE-2 では 26%(ウステキヌマブ群との比較において P=0.08),AMAGINE-3 では 27%(P=0.007)であった.好中球減少症の発現率はブロダルマブ群とウステキヌマブ群のほうがプラセボ群よりも高かった.軽度または中等度のカンジダ感染症の頻度は,ブロダルマブ群が,ウステキヌマブ群,プラセボ群よりも高かった.52 週目までの重篤な感染症の発現率は, ブロダルマブ曝露 100 患者年あたり 1.0 件(AMAGINE-2),1.3 件(AMAGINE-3)であった.
中等度~重度の乾癬患者に対するブロダルマブ投与により,有意な臨床的改善が得られた.(Amgen 社から研究助成を受けた.AMAGINE-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01708603,AMAGINE-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01708629)