The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 9, 2015 Vol. 373 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

尋常性乾癬に対するグセルクマブとアダリムマブを比較した第 2 相試験
A Phase 2 Trial of Guselkumab versus Adalimumab for Plaque Psoriasis

K.B. Gordon and Others

背景

中等度~重度の尋常性乾癬の治療法として,特異的抗インターロイキン-23 療法の効果が,確立されている抗腫瘍壊死因子療法と比較してどうかはほとんどわかっていない.

方 法

中等度~重度の尋常性乾癬患者を対象に,抗インターロイキン-23 モノクローナル抗体であるグセルクマブ(guselkumab)(CNTO 1959)とアダリムマブを比較する 52 週間の第 2 相複数用量無作為化二重盲検プラセボ対照実薬対照試験を行った.293 例を,40 週目までグセルクマブを投与する群(5 mg を 0 週目,4 週目,その後は 12 週ごとに投与する群,15 mg を 8 週ごとに投与する群,50 mg を 0 週目,4 週目,その後は 12 週ごとに投与する群,100 mg を 8 週ごとに投与する群,200 mg を 0 週目,4 週目,その後は 12 週ごとに投与する群),プラセボを投与する群,アダリムマブ(乾癬に対する標準量)を投与する群に無作為に割り付けた.16 週の時点で,プラセボ群の患者は,グセルクマブ 100 mg の 8 週ごとの投与にクロスオーバーした.主要評価項目は,16 週の時点で,医師総合評価(PGA)スコアが 0(乾癬消失)または 1(ごく軽度の乾癬)であった患者の割合とした.

結 果

16 週の時点で PGA スコアが 0 または 1 であった患者の割合は,グセルクマブの各群のほうがプラセボ群よりも有意に高く,グセルクマブ 5 mg 群では 34%,15 mg 群では 61%,50 mg 群では 79%,100 mg 群では 86%,200 mg 群では 83%であったのに対し,プラセボ群では 7%であった(すべての比較について P≦0.002).さらに,グセルクマブ 50 mg 群,100 mg 群,200 mg 群では,この割合はアダリムマブ群(58%)と比較して有意に高かった(すべての比較について P<0.05).16 週の時点で,乾癬の面積・重症度指数スコアにおける 75%以上の改善(PASI 75)が認められた患者の割合は,グセルクマブの各群のほうがプラセボ群よりも有意に高かった(すべての比較について P<0.001).40 週の時点でも PGA スコアが 0 または 1 であった患者の割合は,グセルクマブ 50 mg 群,100 mg 群,200 mg 群では,アダリムマブ群と比較して有意に高かった(それぞれ 71%,77%,81% に対し,49%)(すべての比較について P<0.05).0 週目から 16 週目までに,感染症はグセルクマブ群では 20%,アダリムマブ群では 12%,プラセボ群では 14%に認められた.

結 論

この第 2 相試験の結果から,グセルクマブは尋常性乾癬の有効な治療薬である可能性があり,特異的抗インターロイキン-23 療法によって乾癬はコントロールされうることが示唆される.(Janssen Research and Development 社から研究助成を受けた.X-PLORE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01483599)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 136 - 44. )