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July 2, 2015 Vol. 373 No. 1

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骨髄性プロトポルフィリン症に対するアファメラノチド
Afamelanotide for Erythropoietic Protoporphyria

J.G. Langendonk and Others

背景

骨髄性プロトポルフィリン症は急性の光毒性を伴う,重度の光線過敏症である.患者には非常に強い疼痛があり,QOL が著しく低下する.われわれは,疼痛を軽減し QOL を向上させる,αメラノサイト刺激ホルモンアナログであるアファメラノチド(afamelanotide)の安全性と有効性を評価した.

方 法

アファメラノチド 16 mg の皮下植込みに関する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験を 2 件実施した.欧州連合の患者(74 例)と米国の患者(94 例)を,60 日ごとにアファメラノチドの皮下植込みを行う群と,プラセボの皮下植込みを行う群(欧州連合の試験では計 5 回,米国の試験では計 3 回)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.日光曝露のタイプと期間,光毒性反応の回数と重症度,有害事象についてそれぞれ 270 日間,180 日間の試験期間を通して記録した.QOL は,妥当性が確認された質問票を用いて評価した.米国患者のサブグループには光刺激検査を実施した.主要有効性評価項目は,疼痛を伴わない直射日光曝露時間数とした.

結 果

米国の試験では,6 ヵ月後の疼痛を伴わない曝露時間は,アファメラノチド群のほうがプラセボ群よりも長かった(中央値 69.4 時間 対 プラセボ群 40.8 時間,P=0.04).欧州連合の試験においても,9 ヵ月後の疼痛を伴わない曝露時間はアファメラノチド群のほうが長く(中央値 6.0 時間 対 0.8 時間,P=0.005),光毒性反応の回数はアファメラノチド群のほうが少なかった(77 対 146,P=0.04).いずれの試験でも,アファメラノチド療法により QOL が改善した.有害事象は大半が軽度であった.重篤な有害事象は,試験薬と関連するものとは考えられなかった.

結 論

骨髄性プロトポルフィリン症患者に対するアファメラノチドの副作用と有害事象プロファイルは忍容可能であり,疼痛を伴わない日光曝露時間が延長し,QOL が改善した.(Clinuvel Pharmaceuticals 社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01605136,NCT00979745)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 48 - 59. )