The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 20, 2015 Vol. 373 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

ヒト免疫不全ウイルス 1 型と C 型肝炎ウイルスに重複感染している患者の C 型肝炎ウイルスに対するレジパスビルとソホスブビルの併用
Ledipasvir and Sofosbuvir for HCV in Patients Coinfected with HIV-1

S. Naggie and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)と C 型肝炎ウイルス(HCV)に重複感染している患者の HCV に対する有効な治療は,依然として満たされていない医療ニーズである.

方 法

HIV-1 と HCV 遺伝子型 1 型または 4 型に重複感染しており,テノホビルとエムトリシタビンに,エファビレンツ,リルピビリン,ラルテグラビルのいずれかを組み合わせた抗レトロウイルスレジメンを受けている患者を対象とする多施設共同単群非盲検試験を行った.全例に,NS5A 阻害薬レジパスビルとヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルを,1 錠の固定用量配合錠で 12 週間投与した.主要評価項目は,治療終了後 12 週の時点でのウイルス排除(SVR)とした.

結 果

登録した 335 例のうち,34%が黒人で,55%に HCV の治療歴があり,20%が肝硬変を有していた.治療終了後 12 週の時点で SVR が得られた患者は全体で 322 例(96%,95%信頼区間 [CI] 93~98)であり,SVR 率は,HCV 遺伝子型 1a 型感染患者では 96%(95% CI 93~98),1b 型感染患者では 96%(95% CI 89~99),4 型感染患者では 100%(95% CI 63~100)であった.SVR 率は,治療歴や肝硬変の有無にかかわらず同程度であった.SVR が得られなかった 13 例のうち,10 例が治療終了後に再燃した.HIV-1 のウイルス量のリバウンドが確認された患者はいなかった.頻度の高かった有害事象は,頭痛(25%),疲労(21%),下痢(11%)であった.有害事象により治療を中止した患者はいなかった.

結 論

HIV-1 と HCV 遺伝子型 1 型または 4 型に重複感染している患者において,レジパスビルとソホスブビルの 12 週間投与により,高い SVR 率が得られた.(Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.ION-4 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02073656)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 705 - 13. )