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September 3, 2015 Vol. 373 No. 10

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本態性血小板血症患者におけるテロメラーゼ阻害薬イメテルスタット
Telomerase Inhibitor Imetelstat in Patients with Essential Thrombocythemia

G.M. Baerlocher and Others

背景

脂質延長部との共有結合で修飾された 13 塩基長のオリゴヌクレオチドであるイメテルスタット(imetelstat)は,テロメラーゼの酵素活性を競合的に阻害する.イメテルスタットは,in vitro では,本態性血小板血症患者の細胞における巨核球の増殖を阻害することが示されている.この第 2 相試験では,前治療に不応であったか,忍容できない副作用が生じた本態性血小板血症の患者を対象として,イメテルスタットによる血液学的寛解,分子遺伝学的寛解の誘導が可能かどうかを検討した.

方 法

18 例を 2 つのコホートに登録し,イメテルスタットを,初回投与量を 7.5 mg/kg 体重または 9.4 mg/kg として,血小板数が約 250,000~300,000/mm3 に到達するまで,週 1 回静脈内投与した.主要評価項目は最良の血液学的寛解とした.

結 果

イメテルスタットにより 18 例全例で血液学的寛解が誘導され,16 例(89%)で血液学的完全寛解が得られた.主要解析の時点で,10 例は投与を継続中であり,追跡期間中央値は 17 ヵ月であった(7~32 ヵ月 [継続中]).分子遺伝学的寛解は,JAK2 V617F 変異が陽性であった 8 例中 7 例で認められた(88%,95%信頼区間 47~100).CALRMPL の変異アレルの比率も,15~66%低下した.投与中に高頻度に認められた有害事象の重症度は,軽度~中等度であった.グレード 3 以上の好中球減少は 18 例中 4 例(22%)で発現し,グレード 3 以上の貧血,頭痛,失神はそれぞれ 2 例(11%)で発現した.全例で肝機能値異常が 1 つ以上認められ,その持続的上昇の重症度はすべてグレード 1 または 2 であった.

結 論

イメテルスタットを投与された本態性血小板血症患者において,迅速かつ持続的な血液学的寛解,分子遺伝学的寛解が認められた.(Geron 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01243073)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2015; 373 : 920 - 8. )