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March 17, 2016 Vol. 374 No. 11

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単胎早期産予防のための子宮頸管ペッサリーに関する無作為化試験
A Randomized Trial of a Cervical Pessary to Prevent Preterm Singleton Birth

K.H. Nicolaides and Others

背景

早期産は,新生児・乳児の死亡,および生存児の障害の主要な原因である.子宮頸管にペッサリーを挿入することで,単胎早期産のリスクが低減するかどうかは明らかにされていない.

方 法

単胎児を妊娠しており(単胎妊娠),妊娠 20 週 0 日~24 週 6 日における子宮頸管長が 25 mm 以下であった女性を対象に,ペッサリー挿入と待機的管理(対照)とを比較する多施設共同無作為化比較試験を行った.各群で,無作為化時またはその後の受診時に子宮頸管長が 15 mm 以下であった女性には,プロゲステロンの腟内投与を行った.主要転帰は妊娠 34 週未満の自然分娩とした.

結 果

intention-to-treat 解析では,34 週未満の自然分娩率に,ペッサリー群(465 例)と対照群(467 例)とで有意差は認められなかった(それぞれ 12.0%と 10.8%,ペッサリー群のオッズ比 1.12,95%信頼区間 0.75~1.69,P=0.57).また,周産期死亡率(ペッサリー群 3.2%と対照群 2.4%,P=0.42),新生児有害転帰発生率(それぞれ 6.7%と 5.7%,P=0.55),新生児特殊治療実施率(それぞれ 11.6%と 12.9%,P=0.59)にも,有意差は認められなかった.腟分泌物の出現または増加がみられた割合は,ペッサリー群のほうが対照群よりも有意に高かった.

結 論

子宮頸管長が短い単胎妊娠女性では,子宮頸管にペッサリーを挿入しても,待機的管理と比較して自然分娩による早期産の発生率が低くなることはなかった.(胎児医学財団から研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN01096902)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 1044 - 52. )