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September 22, 2016 Vol. 375 No. 12

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第 Xa 因子阻害薬に関連する急性大出血に対するアンデキサネット アルファ
Andexanet Alfa for Acute Major Bleeding Associated with Factor Xa Inhibitors

S.J. Connolly and Others

背景

アンデキサネット アルファ(andexanet alfa)は,遺伝子組換え改変型ヒト第 Xa 因子デコイ蛋白であり,健常ボランティアで第 Xa 因子阻害を中和することが示されている.

方 法

多施設共同前向き非盲検単群試験で,第 Xa 因子阻害薬投与後 18 時間以内に急性大出血を起こした 67 例を評価した.全例にアンデキサネットをボーラス投与し,その後 2 時間かけて静脈内投与した.12 時間にわたり抗第 Xa 因子活性測定値の変化と臨床的止血効果を評価し,その後 30 日間追跡した.有効性の評価対象とした 47 例は,抗第 Xa 因子活性のベースライン値が 75 ng/mL 以上(エノキサパリン投与例では 0.5 IU/mL 以上)であり,判定時に出血重症度を確定した.

結 果

平均年齢は 77 歳であった.ほとんどの患者は重大な心血管疾患を有していた.出血部位は主に消化管または頭蓋内であった.救急部到着からアンデキサネットのボーラス投与までの平均(±SD)時間は 4.8±1.8 時間であった.ボーラス投与後,抗第 Xa 因子活性の中央値は,リバーロキサバン投与例ではベースラインから 89%(95%信頼区間 [CI] 58~94)低下し,アピキサバン投与例では 93%(95% CI 87~94)低下した.これらの値は,2 時間かけて静脈内投与しているあいだも同程度であった.静脈内投与終了後 4 時間の時点で,抗第 Xa 因子活性測定値は,リバーロキサバン投与例ではベースラインから 39%相対的に低下し,アピキサバン投与例では 30%相対的に低下した.静脈内投与終了後 12 時間の時点で,有効性解析対象の 47 例のうち 37 例(79%,95% CI 64~89)において,臨床的止血がきわめて良好または良好と判定された.30 日の追跡期間中に,血栓イベントは 67 例中 12 例(18%)で発生した.

結 論

記述的な予備解析によると,第 Xa 因子阻害薬に関連する急性大出血を起こした患者にアンデキサネットの初回ボーラス投与とその後 2 時間かけて静脈内投与を行うことで,抗第 Xa 因子活性が大幅に低下し,79%で有効な止血が得られた.(Portola Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ANNEXA-4 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02329327)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 1131 - 41. )