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September 29, 2016 Vol. 375 No. 13

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帝王切開時の予防的抗菌薬へのアジスロマイシンの追加
Adjunctive Azithromycin Prophylaxis for Cesarean Delivery

A.T.N. Tita and Others

背景

帝王切開前に行う標準的な予防的抗菌薬レジメンにアジスロマイシンを追加することで,術後感染の発生率がさらに低下する可能性がある.緊急帝王切開を行う女性を対象に,抗菌スペクトルの拡大を目的としたアジスロマイシンベースの予防的投与の利益と安全性を評価した.

方 法

米国の 14 施設で,妊娠 24 週以降の単胎妊娠女性で,分娩時または破水後に帝王切開を行った 2,013 例を対象に試験を行った.1,019 例をアジスロマイシン 500 mg を静脈内投与する群に,994 例をプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.すべての女性に標準的な予防的抗菌薬投与を行うこととした.主要転帰は,術後 6 週以内に発生した子宮内膜炎,創感染,その他の感染症の複合とした.

結 果

主要転帰はアジスロマイシン群 62 例(6.1%),プラセボ群 119 例(12.0%)で発生した(相対リスク 0.51,95%信頼区間 [CI] 0.38~0.68,P<0.001).アジスロマイシン群とプラセボ群とで,子宮内膜炎の発生率(3.8% 対 6.1%,P=0.02),創感染の発生率(2.4% 対 6.6%,P<0.001),母親の重篤な有害事象の発現率(1.5% 対 2.9%,P=0.03)に有意差が認められた.死亡と重篤な合併症を含む新生児の副次的複合転帰に群間で有意差は認められなかった(14.3% 対 13.6%,P=0.63).

結 論

緊急帝王切開時に標準的な予防的抗菌薬投与を受けた女性全例に,抗菌スペクトルを拡大するためにアジスロマイシンを追加した場合,プラセボを追加した場合と比較して術後感染のリスクの低減に有効であった.(ユニス・ケネディ・シュライバー米国国立小児保健・人間発達研究所から研究助成を受けた.C/SOAP 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01235546)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 1231 - 41. )