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October 20, 2016 Vol. 375 No. 16

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閉経後骨粗鬆症女性に対するロモソズマブ投与
Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis

F. Cosman and Others

背景

スクレロスチンに結合するモノクローナル抗体ロモソズマブ(romosozumab)は,骨形成を増加させ,骨吸収を抑制する.

方 法

股関節または大腿骨頸部の T スコアが -2.5~-3.5 の閉経後女性 7,180 例を登録した.患者を,ロモソズマブ(210 mg)の皮下注射を月 1 回,12 ヵ月間行う群と,プラセボの皮下注射を行う群に無作為に割り付けた.その後は各群の患者に,デノスマブ 60 mg の皮下注射を, 6 ヵ月に 1 回,12 ヵ月間行った.主要エンドポイントは,新規脊椎骨折の 12 ヵ月の時点での累積発生率と,24 ヵ月の時点での累積発生率の 2 項目とした.副次的エンドポイントは,臨床的骨折(非脊椎骨折と症候性脊椎骨折の複合),非脊椎骨折などとした.

結 果

12 ヵ月の時点で,新規脊椎骨折は,ロモソズマブ群では 3,321 例中 16 例(0.5%)に発生したのに対し,プラセボ群では 3,322 例中 59 例(1.8%)に発生した(ロモソズマブで 73%のリスク低下,P<0.001).臨床的骨折は,ロモソズマブ群では 3,589 例中 58 例(1.6%)に発生したのに対し,プラセボ群では 3,591 例中 90 例(2.5%)に発生した(ロモソズマブで 36%のリスク低下,P=0.008).非脊椎骨折は,ロモソズマブ群 3,589 例中 56 例(1.6%),プラセボ群 3,591 例中 75 例(2.1%)に発生した(P=0.10).24 ヵ月の時点では,各群がデノスマブに移行しており,脊椎骨折の発生率はロモソズマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に低かった(ロモソズマブ群 0.6% [3,325 例中 21 例] 対 プラセボ群 2.5% [3,327 例中 84 例],ロモソズマブで 75%のリスク低下,P<0.001).骨増殖症,心血管イベント,変形性関節症,癌などの有害事象の発現率は,群間で同程度であった.ロモソズマブ群では非定型大腿骨骨折が 1 例,顎骨壊死が 2 例認められた.

結 論

閉経後骨粗鬆症女性にロモソズマブを投与した結果,プラセボを投与した場合と比較して,12 ヵ月の時点と,デノスマブ投与に移行後の 24 ヵ月の時点で,脊椎骨折のリスクが低いことに関連した.ロモソズマブ群における臨床的骨折のリスク低下は,1 年の時点で顕著であった.(Amgen 社,UCB Pharma 社から研究助成を受けた.FRAME 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01575834)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 1532 - 43. )