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April 6, 2017 Vol. 376 No. 14

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急性期脳梗塞に対する血管内治療の 2 年後の転帰
Two-Year Outcome after Endovascular Treatment for Acute Ischemic Stroke

L.A. van den Berg and Others

背景

急性期脳梗塞患者では,血管内治療のほうが,従来の治療よりも治療開始後 90 日の時点での機能的転帰が良好であることが複数の試験で示されている.しかし,長期臨床転帰に関する報告は不足している.

方 法

急性期脳梗塞患者を,血管内治療群(介入群)と従来治療群(対照群)に無作為に割り付け,2 年後の臨床転帰を評価した.主要転帰は,2 年の時点での修正 Rankin スケールのスコアとした.このスケールは機能的転帰を 0(症状なし)~6(死亡)で評価するものである.副次的転帰は 2 年の時点での全死因死亡,QOL などとし,QOL は EuroQol 5 項目(EQ-5D)質問票(スコアの範囲は-0.329~1 で,スコアが高いほど健康状態が良好であることを示す)に基づく健康効用指標で評価した.

結 果

最初の試験で無作為化した 500 例のうち,この延長追跡試験のために 2 年間のデータを入手しえたのは 391 例(78.2%)であり,死亡情報を入手しえたのは 459 例(91.8%)であった.修正 Rankin スケールでの転帰の分布は,血管内治療のほうが従来治療よりも良好であった(補正共通オッズ比 1.68,95%信頼区間 [CI] 1.15~2.45,P=0.007).転帰が非常に良好(すなわち,修正 Rankin スケールのスコアが 0 または 1)であった患者の割合に,群間で有意差は認められなかった.QOL スコアの平均値は,血管内治療に無作為に割り付けられた例では 0.48 であったのに対し,従来治療に無作為に割り付けられた例では 0.38 であった(差の平均 0.10,95% CI 0.03~0.16,P=0.006).2 年累積死亡率は介入群 26.0%,対照群 31.0%であった(補正ハザード比 0.9,95% CI 0.6~1.2,P=0.46).

結 論

この延長追跡試験では,急性期脳梗塞患者の 2 年後の機能的転帰に対する血管内治療の有益な効果は,最初の試験の 90 日の時点で報告された効果と同様であった.(オランダ健康研究開発機構ほかから研究助成を受けた.MR CLEAN 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN10888758,Netherlands Trial Register 番号 NTR1804;MR CLEAN 延長追跡試験:Netherlands Trial Register 番号 NTR5073)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1341 - 9. )