The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 20, 2017 Vol. 376 No. 16

再生不良性貧血に対する標準的免疫抑制療法へのエルトロンボパグの追加
Eltrombopag Added to Standard Immunosuppression for Aplastic Anemia

D.M. Townsley and Others

背景

後天性再生不良性貧血は,免疫介在性の骨髄機能低下に起因する.免疫抑制療法は有効であるが,残存する幹細胞が少ないため有効性が限られる可能性がある.免疫抑制療法が無効な再生不良性貧血患者において,合成トロンボポエチン受容体作動薬エルトロンボパグは,約半数の患者に臨床的に有意な血球の増加をもたらした.われわれは,治療歴のない重症の再生不良性貧血患者において,標準的免疫抑制療法とエルトロンボパグの併用を検討した.

方 法

免疫抑制療法+エルトロンボパグの第 1・2 相前向き試験に,連続する 92 例の患者を登録した.患者が連続的に登録された 3 つのコホートは,エルトロンボパグレジメンの開始のタイミングと継続期間が異なっていた(投与期間:コホート 1 が 14 日目~6 ヵ月目,コホート 2 が 14 日目~3 ヵ月目,コホート 3 が 1 日目~6 ヵ月目).コホートは個別に解析した.主要エンドポイントは,6 ヵ月の時点での血液学的完全奏効とした.副次的エンドポイントは,全奏効,生存,再発,骨髄癌へのクローン進化などとした.

結 果

6 ヵ月の時点での完全奏効率は,コホート 1 で 33%,コホート 2 で 26%,コホート 3 で 58%であった.6 ヵ月の時点での全奏効率は,それぞれ 80%,87%,94%であった.3 コホートを合わせた完全奏効率と全奏効率は,過去の症例コホートより高かった.過去の症例コホートでは,完全奏効率は 10%,全奏効率は 66%であった.追跡期間中央値 2 年の時点で生存率は 97%であり,1 例が試験期間中に非血液学的原因により死亡した.骨髄細胞密度,CD34+細胞数,初期造血前駆細胞の発現頻度に著明な増加が認められた.再発とクローン進化の割合は,過去の経験と同程度であった.重症の皮疹が 2 例で出現し,エルトロンボパグは早期に中止された.

結 論

重症の再生不良性貧血患者における免疫抑制療法へのエルトロンボパグの追加は,過去の症例コホートと比較して,著明に高い血液学的奏効率に関連した.(米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01623167)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1540 - 50. )