The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 27, 2017 Vol. 376 No. 17

心房細動のアブレーションにおけるダビガトランとワルファリンの継続投与の比較
Uninterrupted Dabigatran versus Warfarin for Ablation in Atrial Fibrillation

H. Calkins and Others

背景

心房細動のカテーテルアブレーションは通常,ワルファリンによる継続的抗凝固療法,または中断を伴うビタミン K 拮抗薬以外の経口抗凝固療法と併用される.ダビガトランなどの,ビタミン K 拮抗薬以外の経口抗凝固薬による継続的抗凝固療法のほうが安全である可能性があるが,比較データは不足している.われわれは,心房細動のアブレーションを受ける患者を対象に,ダビガトランとワルファリンの継続投与の安全性を比較検討した.

方 法

無作為化非盲検多施設共同比較対照試験で,発作性または持続性の心房細動でカテーテルアブレーションを受ける予定の患者を,ダビガトラン(150 mg を 1 日 2 回)群とワルファリン(目標国際標準比 2.0~3.0)群に無作為に割り付け,盲検下で独立委員会が判定したエンドポイントを評価した.継続的抗凝固療法開始から 4~8 週間後にアブレーションを施行し,抗凝固薬はアブレーション中とアブレーション後 8 週間継続した.主要エンドポイントは,アブレーション中とアブレーション後最長 8 週間における重大な出血イベントの発生率とした.副次的エンドポイントは,血栓塞栓性イベント,その他の出血イベントなどとした.

結 果

104 施設で 704 例を登録し,635 例がアブレーションを受けた.患者背景は治療群間で偏りがなかった.アブレーション中とアブレーション後最長 8 週間における重大な出血イベントの発生率は,ダビガトラン群のほうがワルファリン群よりも低かった(5 例 [1.6%] 対 22 例 [6.9%],絶対リスク差 -5.3 パーセントポイント,95%信頼区間 -8.4~-2.2,P<0.001).ダビガトラン投与は,ワルファリン投与と比較して,周術期の心タンポナーデの発生率と鼠径部血腫の発生率が低いことに関連していた.小出血イベントの発生率は 2 群で同程度であった.ワルファリン群で血栓塞栓性イベントが 1 件発生した.

結 論

心房細動のアブレーションを受ける患者において,ダビガトラン継続投与による抗凝固療法は,ワルファリン継続投与と比較して出血性合併症の発生率が低いことに関連していた.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.RE-CIRCUIT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02348723)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1627 - 36. )