The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

May 18, 2017 Vol. 376 No. 20

急性心不全におけるウラリチドの心血管系死亡率に対する影響
Effect of Ularitide on Cardiovascular Mortality in Acute Heart Failure

M. Packer and Others

背景

急性心不全患者では,心筋壁応力を下げ,可能性のある心筋障害を抑えることで,よりよい長期予後を得ることを治療目標とし,血管拡張薬の静脈内投与による早期介入が提案されている.

方 法

二重盲検試験で,急性心不全患者 2,157 例を,認められている治療に加えて,ウラリチド(ularitide)15 ng/kg/分を 48 時間持続点滴静注する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.投与は初回臨床評価から中央値 6 時間後に開始された.主要転帰は,追跡期間中央値 15 ヵ月間の心血管系の原因による死亡と,最初の 48 時間の臨床経過を評価する階層的複合エンドポイントの 2 項目とした.

結 果

心血管系の原因による死亡は,ウラリチド群の 236 例とプラセボ群の 225 例に発生した(21.7% 対 21.0%,ハザード比 1.03,96%信頼区間 0.85~1.25,P=0.75).intention-to-treat 解析では,階層的複合エンドポイントに群間で有意差は認められなかった.ウラリチド群は,プラセボ群と比較して,収縮期血圧と脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端フラグメント値の低下が大きかった.しかし,静注中の心筋トロポニン T 値の変化は,ベースラインと 48 時間後のデータがある 55%の患者において,群間で差は認められなかった.

結 論

急性心不全患者において,ウラリチドは良好な生理学的効果(心筋トロポニン値への影響はなし)を示したが,短期投与では臨床複合エンドポイントへの影響はなく,長期心血管系死亡率も低下しなかった.(Cardiorentis 社から研究助成を受けた.TRUE-AHF 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01661634)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 1956 - 64. )