ドラベ症候群の薬剤抵抗性てんかんに対するカンナビジオールの試験
Trial of Cannabidiol for Drug-Resistant Seizures in the Dravet Syndrome
O. Devinsky and Others
ドラベ症候群は,薬剤抵抗性てんかんと高い死亡率に関連する複雑な小児てんかん障害である.われわれは,ドラベ症候群の薬剤抵抗性てんかんの治療薬としてカンナビジオール(cannabidiol)を検討した.
二重盲検プラセボ対照試験で,ドラベ症候群で薬剤抵抗性てんかんが認められる小児と若年成人 120 例を,標準的なてんかん治療にカンナビジオール経口液 20 mg/kg/日を追加する群と,プラセボを追加する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,14 週間の投与期間とベースラインの 4 週間とで比較した痙攣性てんかん発作の頻度の変化とした.
1 ヵ月あたりの痙攣性てんかん発作の頻度の中央値は,カンナビジオール群では 12.4 から 5.9 に低下したのに対し,プラセボ群では 14.9 から 14.1 に低下した(カンナビジオール群とプラセボ群とのあいだの変化の中央値の補正後の差 -22.8 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI]-41.1~-5.4,P=0.01).痙攣性てんかん発作の頻度が 50%以上低下した患者の割合は,カンナビジオール群 43%,プラセボ群 27%であった(オッズ比 2.00,95% CI 0.93~4.30,P=0.08).全身状態が,7 段階の介護者による全般的印象改善度(CGIC)で 1 段階以上改善した患者の割合は,カンナビジオール群では 62%であったのに対し,プラセボ群では 34%であった(P=0.02).カンナビジオール群では,全てんかん発作の頻度が有意に低下したが(P=0.03),非痙攣性てんかん発作の頻度は有意には低下しなかった.発作が抑制されていた患者の割合は,カンナビジオール群 5%,プラセボ群 0%であった(P=0.08).カンナビジオール群でプラセボ群よりも頻度が高かった有害事象は,下痢,嘔吐,疲労,発熱,傾眠,肝機能検査異常などであった.試験中止例はカンナビジオール群のほうが多かった.
ドラベ症候群患者において,カンナビジオールは,プラセボと比較して痙攣性てんかん発作の頻度を大幅に低下させ,有害事象の発現率が高いことに関連した.(GW Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02091375)