The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 15, 2017 Vol. 376 No. 24

ルーチン PCI における生体吸収性スキャフォールドと金属ステントとの比較
Bioresorbable Scaffolds versus Metallic Stents in Routine PCI

J.J. Wykrzykowska and Others

背景

生体吸収性血管スキャフォールドは,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)における薬剤溶出性ステントの欠点を克服するために開発された.われわれは,日常診療におけるエベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドとエベロリムス溶出金属ステントとを比較する研究者主導の無作為化試験を行った.

方 法

PCI を受ける患者 1,845 例を,生体吸収性血管スキャフォールド群(924 例)と金属ステント群(921 例)に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,標的血管不全(心臓死,標的血管心筋梗塞,標的血管血行再建の複合)とした.データ安全性モニタリング委員会は,安全性の懸念のため試験結果の早期報告を勧告した.エンドポイントイベントの記述的情報を報告する.

結 果

追跡期間中央値は 707 日であった.標的血管不全はスキャフォールド群 105 例とステント群 94 例で発生した(2 年累積イベント発生率はそれぞれ 11.7%と 10.7%,ハザード比 1.12,95%信頼区間 [CI] 0.85~1.48,P=0.43).これらの数値は生存時間(time-to-event)解析における Kaplan–Meier 推定値である.心臓死はスキャフォールド群 18 例とステント群 23 例(2 年累積イベント発生率はそれぞれ 2.0%と 2.7%),標的血管心筋梗塞はスキャフォールド群 48 例とステント群 30 例(同 5.5%と 3.2%),標的血管血行再建はスキャフォールド群 76 例とステント群 65 例(同 8.7%と 7.5%)で発生した.確定的/ほぼ確定的なデバイス血栓症はスキャフォールド群では 31 例で発生したのに対し,ステント群では 8 例で発生した(2 年累積イベント発生率 3.5% 対 0.9%,ハザード比 3.87,95% CI 1.78~8.42,P<0.001).

結 論

PCI を受ける患者を対象とした試験のこの予備的報告では,生体吸収性スキャフォールド使用例と金属ステント使用例とのあいだで,標的血管不全の発生率に有意差は認められなかった.生体吸収性スキャフォールドは,金属ステントと比較して,2 年の追跡期間中のデバイス血栓症の発生率が高いことに関連した.(Abbott Vascular 社から研究助成を受けた.AIDA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01858077)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 2319 - 28. )