February 16, 2017 Vol. 376 No. 7
生育限界で出生した児の生存と神経発達転帰
Survival and Neurodevelopmental Outcomes among Periviable Infants
N. Younge and Others
過去 5 年間に報告されたデータによると,生育限界で出生した児の生存率は上昇しているが,それが乳幼児期の神経発達転帰にどのように関連しているかはほとんどわかっていない.
在胎 22~24 週で出生した児を修正月齢 18~22 ヵ月の時点で評価し,生存と神経発達転帰を 3 つの連続する出生年別区分(2000~03 年 [区分 1],2004~07 年 [区分 2],2008~11 年 [区分 3])で比較した.米国国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)新生児研究ネットワーク(NRN)に参加している 11 施設で出生した児を対象とした.主要評価項目は,神経発達障害なしでの生存,神経発達障害ありでの生存,死亡の 3 段階評価とした.出生施設などの児の特性の差を補正後,複数の名義尺度による一般化ロジットモデルを用いて,神経発達障害なしでの生存,神経発達障害ありでの生存,死亡の相対リスクを比較した.
主要評価項目のデータは,11 施設で出生した 4,458 例のうち 4,274 例で入手しえた.生存割合は,区分 1 の 30%(1,391 例中 424 例)から区分 3 には 36%(1,348 例中 487 例)へと上昇した(P<0.001).神経発達障害なしでの生存割合は,区分 1 の 16%(1,391 例中 217 例)から区分 3 には 20%(1,348 例中 276 例)へと上昇したが(P=0.001),神経発達障害ありでの生存割合に有意な変化はみられなかった(区分 1 は 15% [1,391 例中 207 例],区分 3 は 16% [1,348 例中 211 例],P=0.29).ベースライン特性の経時的変化で補正すると,神経発達障害ありでの生存率(死亡と比較)と神経発達障害なしでの生存率(死亡と比較)は,いずれも経時的に上昇した(補正相対リスクはそれぞれ 1.27 [95%信頼区間 {CI} 1.01~1.59],1.59 [95% CI 1.28~1.99]).
この生育限界で出生した児の大規模コホートでは,神経発達障害なしでの生存率は 2000 年から 2011 年にかけて上昇した.(米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00063063,NCT00009633)