The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 16, 2017 Vol. 376 No. 7

糖尿病に対する肥満手術と強化内科治療との比較 ― 5 年後の成績
Bariatric Surgery versus Intensive Medical Therapy for Diabetes — 5-Year Outcomes

P.R. Schauer and Others

背景

2 型糖尿病患者を対象に内科治療と外科治療とを比較した無作為化比較試験の長期成績は限られている.

方 法

2 型糖尿病で体格指数(BMI;体重 [kg]/身長 [m]2)が 27~43 の患者 150 例を,強化内科治療のみを行う群,強化内科治療とルーワイ胃バイパス術を行う群,強化内科治療とスリーブ状胃切除術を行う群のいずれかに無作為に割り付け,5 年後の成績を評価した.主要評価項目は糖尿病の薬物療法の有無を問わず糖化ヘモグロビン値 6.0%以下とした.

結 果

無作為化した 150 例のうち,5 年の追跡期間中に 1 例が死亡した.残り 149 例のうち 134 例(90%)が 5 年の追跡を終了した.ベースラインでは,134 例の平均(±SD)年齢は 49±8 歳であり,66%が女性で,平均糖化ヘモグロビン値は 9.2±1.5%で,平均 BMI は 37±3.5 であった.5 年の時点で主要評価項目の基準を満たしたのは,内科治療のみを受けた患者で 38 例中 2 例(5%)に対し,胃バイパス術を受けた患者では 49 例中 14 例(29%)であり(未補正の P=0.01,補正後の P=0.03,intention-to-treat 解析における P=0.08),スリーブ状胃切除術を受けた患者では 47 例中 11 例(23%)であった(未補正の P=0.03,補正後の P=0.07,intention-to-treat 解析における P=0.17).外科治療を受けた患者では,糖化ヘモグロビン値のベースラインからの平均低下量が内科治療のみを受けた患者よりも大きかった(2.1% 対 0.3%,P=0.003).5 年の時点で,胃バイパス術群とスリーブ状胃切除術群では,次の項目のベースラインからの変化量が内科治療群よりも優れていた;体重(胃バイパス術群,スリーブ状胃切除術群,内科治療群でそれぞれ -23%,-19%,-5%),トリグリセリド値(-40%,-29%,-8%),高比重リポ蛋白コレステロール値(32%,30%,7%),インスリンの使用(-35%,-34%,-13%),QOL の指標(全般的健康状態スコアの増加が 17,16,0.3;RAND 36 項目健康調査のスコアは 0~100 で,スコアが高いほど健康状態が良好であることを示す)(すべての比較について P<0.05).1 件の再手術を除き,重大な晩期合併症は報告されなかった.

結 論

5 年後の成績から,2 型糖尿病で BMI が 27~43 の患者では,肥満手術と強化内科治療の併用は,強化内科治療単独と比較して,高血糖の改善,一部の症例では高血糖の消失に有効であることが示された.(Ethicon Endo-Surgery 社ほかから研究助成を受けた.STAMPEDE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00432809)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 641 - 51. )