The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 16, 2017 Vol. 376 No. 7

救急医のオピオイド処方パターンと長期使用のリスク
Opioid-Prescribing Patterns of Emergency Physicians and Risk of Long-Term Use

M.L. Barnett, A.R. Olenski, and A.B. Jena

背景

米国でオピオイドの過剰使用が増えている一因に,医師による処方があると考えられる.しかし,個々の医師が処方する程度のばらつきや,そのばらつきがオピオイドの長期使用と患者の有害転帰に及ぼす影響は不明である.

方 法

2008~11 年に指標となる救急受診があり,受診前 6 ヵ月以内にオピオイドの処方歴がなかったメディケア受給者を対象に,後ろ向き解析を行った.患者の治療にあたった救急医を病院内で特定した後,同一病院内における処方率の相対四分位に基づき,救急医を高強度オピオイド処方者と低強度オピオイド処方者に分類した.高強度または低強度処方者の治療を受けた患者における救急受診後 12 ヵ月間の長期オピオイド使用率を,患者背景で補正して比較した.長期オピオイド使用は,処方日数で 6 ヵ月と定義した.

結 果

低強度処方者の治療を受けた 215,678 例と高強度処方者の治療を受けた 161,951 例を対象とした.救急部での診断などの患者背景は 2 群で類似していた.各病院で,低強度処方者と高強度処方者とではオピオイドの処方率が大きく異なっていた(7.3% 対 24.1%).長期オピオイド使用率は,高強度処方者の治療を受けた患者のほうが,低強度処方者の治療を受けた患者よりも有意に高く(補正オッズ比 1.30,95%信頼区間 1.23~1.37,P<0.001),これらの結果は複数の感度分析で一致していた.

結 論

オピオイドの処方率は,同じ病院の救急部で診療にあたっている医師間で大きく異なり,また,オピオイドの処方歴がなく,高強度オピオイド処方者の治療を受けた患者では長期オピオイド使用率が高かった.(米国国立衛生研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 376 : 663 - 73. )