The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 14, 2017 Vol. 377 No. 11

脳梗塞後の卵円孔開存閉鎖術または抗凝固療法と抗血小板療法との比較
Patent Foramen Ovale Closure or Anticoagulation vs. Antiplatelets after Stroke

J.-L. Mas and Others

背景

脳梗塞の再発予防を目的とする卵円孔開存(PFO)閉鎖術の試験が複数行われているが,結論は得られていない.われわれは,潜因性脳梗塞を発症し,心エコー検査上,脳梗塞のリスクが認められる患者において,PFO 閉鎖術または抗凝固療法により,抗血小板療法と比較して利益が得られるかどうかを検討した.

方 法

多施設共同無作為化非盲検試験で,PFO との関連が考えられる脳梗塞を発症したばかりで,関連する心房中隔瘤または心房間に大きな短絡を認める 16~60 歳の患者を,経カテーテル PFO 閉鎖術と長期抗血小板療法を併用する群(PFO 閉鎖術群),抗血小板療法のみを行う群(抗血小板療法単独群),経口抗凝固療法を行う群(抗凝固療法群)に,1:1:1 の割合で割り付けた(無作為化グループ 1).抗凝固薬または PFO 閉鎖術が禁忌の患者は,禁忌ではないほうの治療を行う群と,抗血小板療法を行う群に無作為に割り付けた(無作為化グループ 2,3).脳梗塞の発症を主要転帰とした.PFO 閉鎖術+抗血小板療法と抗血小板療法単独との比較は,無作為化グループ 1 と 2 のデータを統合して行い,経口抗凝固療法と抗血小板療法単独との比較は,無作為化グループ 1 と 3 のデータを統合して行った.

結 果

663 例が無作為化され,平均(±SD)追跡期間は 5.3±2.0 年であった.無作為化グループ 1 と 2 の解析で,PFO 閉鎖術群 238 例では脳梗塞の発症はなかったが,抗血小板療法単独群 235 例では 14 例が発症した(ハザード比 0.03,95%信頼区間 0~0.26,P<0.001).PFO 閉鎖術群では手技に関連する合併症が 14 例(5.9%)で発現した.心房細動の発現率は PFO 閉鎖術群のほうが抗血小板療法単独群よりも高かった(4.6% 対 0.9%,P=0.02).重篤な有害事象の発現数に群間で有意差は認められなかった(P=0.56).無作為化グループ 1 と 3 の解析では,経口抗凝固療法群 187 例中 3 例と抗血小板療法単独群 174 例中 7 例が脳梗塞を発症した.

結 論

PFO との関連が考えられる潜因性脳梗塞を発症したばかりで,関連する心房中隔瘤または心房間に大きな短絡を認める患者において,脳梗塞の再発率は,PFO 閉鎖術と抗血小板療法を併用した群のほうが抗血小板療法単独群よりも低かった.PFO 閉鎖術は心房細動のリスクが高いことに関連した.(フランス保健省から研究助成を受けた.CLOSE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00562289)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1011 - 21. )