The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 13, 2017 Vol. 377 No. 2

HER2 陽性早期乳癌の術後アジュバント療法としてのペルツズマブとトラスツズマブ
Adjuvant Pertuzumab and Trastuzumab in Early HER2-Positive Breast Cancer

G. von Minckwitz and Others

背景

トラスツズマブ+化学療法にペルツズマブを追加することで,ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陽性乳癌に対する術前治療での病理学的完全奏効率が上昇し,転移例では全生存期間が延長する.この試験では,HER2 陽性早期乳癌患者において,術後アジュバント療法としてのトラスツズマブ+化学療法にペルツズマブを追加することで転帰が改善するかどうかを検討した.

方 法

リンパ節転移陽性または高リスクリンパ節転移陰性の手術可能な HER2 陽性乳癌患者を,標準的な術後アジュバント化学療法と 1 年間のトラスツズマブ投与に,ペルツズマブを追加する群とプラセボを追加する群に無作為に割り付けた.3 年の時点での浸潤性疾患のない生存率をペルツズマブ群 91.8%,プラセボ群 89.2%と仮定した.

結 果

試験集団において,ペルツズマブ群に無作為に割り付けられた患者(2,400 例)もプラセボ群に無作為に割り付けられた患者(2,405 例)も,63%がリンパ節転移陽性乳癌であり,36%がホルモン受容体陰性乳癌であった.再発はペルツズマブ群の 171 例(7.1%)とプラセボ群の 210 例(8.7%)で起こった(ハザード比 0.81,95%信頼区間 [CI] 0.6~1.00,P=0.045).3 年の時点での浸潤性疾患のない生存率の推定値はペルツズマブ群 94.1%,プラセボ群 93.2%であった.リンパ節転移陽性乳癌患者コホートでは,3 年の時点での浸潤性疾患のない生存率はペルツズマブ群 92.0%に対し,プラセボ群 90.2%であった(浸潤性疾患イベントのハザード比 0.77,95% CI 0.62~0.96,P=0.02).リンパ節転移陰性乳癌患者コホートでは,3 年の時点での浸潤性疾患のない生存率はペルツズマブ群 97.5%,プラセボ群 98.4%であった(浸潤性疾患イベントのハザード比 1.13,95% CI 0.68~1.86,P=0.64).心不全,心臓死,心機能障害の頻度は両群とも低かった.グレード 3 以上の下痢の発現はほとんどが化学療法中であり,ペルツズマブ群のほうがプラセボ群より頻度が高かった(9.8% 対 3.7%).

結 論

手術可能な HER2 陽性乳癌患者において,トラスツズマブと化学療法にペルツズマブを追加することで,浸潤性疾患のない生存率が有意に改善した.ペルツズマブ群では,下痢の頻度がプラセボ群よりも高かった.(F. Hoffmann–La Roche 社/Genentech 社から研究助成を受けた.APHINITY 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01358877)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 122 - 31. )