The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 28, 2017 Vol. 377 No. 13

急性心筋梗塞が疑われる患者に対する酸素療法
Oxygen Therapy in Suspected Acute Myocardial Infarction

R. Hofmann and Others

背景

ベースラインで低酸素血症を認めない,急性心筋梗塞が疑われる患者にルーチンに行う酸素療法の臨床効果は不明である.

方 法

登録に基づく無作為化臨床試験で,スウェーデンの全国登録を用いて患者登録とデータ収集を行った.急性心筋梗塞が疑われ,酸素飽和度が 90%以上である患者を,酸素投与群(オープンフェイスマスクで 6 L/分を 6~12 時間投与)と,室内気吸入群に無作為に割り付けた.

結 果

6,629 例を登録した.酸素療法の施行時間の中央値は 11.6 時間であり,治療終了時の酸素飽和度の中央値は,酸素群で 99%,室内気群で 97%であった.低酸素血症は,酸素群では 62 例(1.9%)が発症したのに対し,室内気群では 254 例(7.7%)が発症した.入院中のトロポニン最高値の中央値は,酸素群で 946.5 ng/L,室内気群で 983.0 ng/L であった.主要エンドポイントとした無作為化後 1 年以内の全死因死亡は,酸素群では 5.0%(3,311 例中 166 例),室内気群では 5.1%(3,318 例中 168 例)で発生した(ハザード比 0.97,95%信頼区間 [CI] 0.79~1.21,P=0.80).1 年以内の心筋梗塞による再入院は,酸素群では 126 例(3.8%),室内気群では 111 例(3.3%)で発生した(ハザード比 1.13,95% CI 0.88~1.46,P=0.33).事前に定義したサブグループのすべてで結果は一貫していた.

結 論

低酸素血症を認めない,急性心筋梗塞が疑われる患者に酸素投与をルーチンに行っても,1 年全死因死亡率の低下はみられなかった.(スウェーデン心臓・肺財団ほかから研究助成を受けた.DETO2X-AMI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01787110)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1240 - 9. )