The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 13, 2017 Vol. 377 No. 2

早期前立腺癌に対する前立腺全摘除術と経過観察との比較試験の追跡調査
Follow-up of Prostatectomy versus Observation for Early Prostate Cancer

T.J. Wilt and Others

背景

われわれは以前に,限局性前立腺癌に対して手術を行った男性と経過観察のみを行った男性とで,死亡率に有意差は認められないことを明らかにした.非致死的健康転帰と長期死亡率は依然不明である.

方 法

1994 年 11 月~2002 年 1 月に,限局性前立腺癌患者 731 例を,根治的前立腺全摘除術群と経過観察群に無作為に割り付けた.主要評価項目とした全死因死亡率と,主な副次的評価項目とした前立腺癌死亡率について,2014 年 8 月まで追跡を延長した.2010 年 1 月まで(最初に設定した追跡期間)の病勢進行,行った治療,患者報告アウトカムを報告する.

結 果

追跡期間 19.5 年(中央値 12.7 年)のあいだに,死亡は手術群 364 例中 223 例(61.3%),経過観察群 367 例中 245 例(66.8%)で発生した(絶対リスク差 5.5 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -1.5~12.4,ハザード比 0.84,95% CI 0.70~1.01,P=0.06).前立腺癌または治療による死亡は,手術群 27 例(7.4%),経過観察群 42 例(11.4%)で発生した(絶対リスク差 4.0 パーセントポイント,95% CI -0.2~8.3,ハザード比 0.63,95% CI 0.39~1.02,P=0.06).中リスク患者では,手術は経過観察よりも低い全死因死亡率に関連した可能性があるが(絶対差 14.5 パーセントポイント,95% CI 2.8~25.6),低リスク患者(絶対差 0.7 パーセントポイント,95% CI -10.5~11.8),高リスク患者(絶対差 2.3 パーセントポイント,95% CI -11.5~16.1)では関連しなかった可能性がある(交互作用の P=0.08).病勢進行に対して治療が行われた頻度は,手術群のほうが経過観察群よりも低く(絶対差 26.2 パーセントポイント,95% CI 19.0~32.9),治療は主に,無症候性の,局所または生化学的(前立腺特異抗原)進行に対して行われた.尿失禁,勃起障害・性機能障害の頻度は,10 年目まではそれぞれ手術群のほうが経過観察群よりも高かった.前立腺癌または治療に関連する日常生活動作制限の頻度は,2 年目までは手術群のほうが経過観察群よりも高かった.

結 論

限局性前立腺癌患者の 20 年近くにわたる追跡により,手術は経過観察と比較して,全死因死亡率と前立腺癌死亡率が有意に低いことには関連しないことが示された.手術は,経過観察と比較して有害事象の頻度が高いことに関連したが,病勢進行,主に無症候性の局所または生化学的進行に対して治療が行われる頻度が低いことに関連していた.(米国退役軍人省ほかから研究助成を受けた.PIVOT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00007644)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 132 - 42. )