The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

October 12, 2017 Vol. 377 No. 15

エボラウイルス病生存者の精液中におけるエボラウイルス RNA の残存 ― 最終報告
Ebola RNA Persistence in Semen of Ebola Virus Disease Survivors — Final Report

G.F. Deen and Others

背景

エボラウイルス病(EVD)に罹患した男性では,回復後もエボラウイルスが精液中に検出されている.われわれは,シエラレオネの EVD 生存者コホートにおける精液中のエボラウイルス RNA の存在について報告する.

方 法

シエラレオネの EVD 生存者の成人男性 220 例を便宜的標本として,エボラ治療施設(ETU)退院後のさまざまな時点で登録した.登録は 2 期に分けて行った(第 1 期 100 例,第 2 期 120 例).ベースラインで採取した精液検体を,NP と VP40(第 1 期)または NP と GP(第 2 期)を標的配列として定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法で検査した.この研究では EVD の性行為感染リスクの直接的な評価は行わなかった.

結 果

解析用に初回精液検体を提供した 210 例のうち,57 例(27%)が定量的 RT-PCR 陽性であった.精液中にエボラウイルス RNA が検出されたのは,検体を ETU 退院後 3 ヵ月以内に採取した 7 例では全例,4~6 ヵ月に採取した 42 例では 26 例(62%),7~9 ヵ月に採取した 60 例では 15 例(25%),10~12 ヵ月に採取した 26 例では 4 例(15%),13~15 ヵ月に採取した 38 例では 4 例(11%),16~18 ヵ月に採取した 25 例では 1 例(4%)であり,19 ヵ月以降に採取した 12 例では 0 例であった.第 1 期で陽性であった 46 例では,標的とした NP と VP40 のベースラインの複製サイクル閾値(値が高いほど RNA 量が少ないことを示す)の中央値は,ETU 退院後 3 ヵ月以内(7 例で,それぞれ 32.4 と 31.3)が,4~6 ヵ月(25 例で,34.3 と 33.1),7~9 ヵ月(13 例で,37.4 と 36.6),10~12 ヵ月(1 例で,37.7 と 36.9)と比較して低かった.第 2 期では,標的とした NP と GP が陽性であったのは 11 例であり(検体は ETU 退院後 4.1~15.7 ヵ月に採取),サイクル閾値は NP が 32.7~38.0,GP が 31.1~37.7 であった.

結 論

これらのデータにより,エボラウイルス RNA は精液中に長期間存在すること,ならびに ETU 退院後の時間経過とともに残存率が低下することが明らかになった.(世界保健機関ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1428 - 37. )