October 19, 2017 Vol. 377 No. 16
病院全体の指標が再入院削減プログラムに及ぼす効果
Effect of a Hospital-wide Measure on the Readmissions Reduction Program
R.B. Zuckerman and Others
再入院削減プログラム(HRRP)では,特定疾患について,30 日再入院率が高い病院にペナルティを課す.ペナルティの対象病院を拡大し,より多くの疾患に改善へのインセンティブを与えるため,指標を病院全体の指標に変更することが支持されている.
2011~13 年のメディケア請求データを用いて,ペナルティの対象となる入院件数の閾値を,特定疾患については 3 年間で 25 件とし,病院全体の指標を用いるコホートでは 1 年間で 25 件として,ペナルティの対象となる病院数を比較した.また,再入院指標を疾患別指標から病院全体の指標へと変更することで,セーフティネット病院(すなわち低所得患者の大部分を治療する病院)とそれ以外の病院のペナルティの平均に及ぶと予測される効果を推定した.
病院全体の指標を用いた場合の入院は 6,807,899 件,疾患別の指標を用いた場合の入院は 4,392,658 件であった.3,443 病院のうちセーフティネット病院とみなされたのは 688 病院であった.病院全体の指標に変更すると,ペナルティ対象病院は 76 病院増加すると予測された.病院全体の指標への変更により,ペナルティ(全病院におけるメディケア支払額の減額の平均 [±SE])は,メディケア方式の診断群分類別支払額に占める割合として 0.42±0.01%から 0.89±0.01%に増加すると予測され,セーフティネット病院とそれ以外の病院とのあいだの差も,-0.03±0.02 パーセントポイントから 0.41±0.06 パーセントポイントに増加すると予測された.
病院全体の指標に移行することで,ペナルティの対象となる病院は若干増加するのみと予測され,セーフティネット病院のペナルティは大幅に増加すると予測された.