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November 23, 2017 Vol. 377 No. 21

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囊胞性線維症 Phe508del ホモ接合体患者に対するテザカフトールとアイバカフトールの併用
Tezacaftor–Ivacaftor in Patients with Cystic Fibrosis Homozygous for Phe508del

J.L. Taylor-Cousar and Others

背景

囊胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)調節薬,テザカフトール(tezacaftor)(VX-661)とアイバカフトール(ivacaftor)(VX-770)の併用療法は,囊胞性線維症患者の根本原因を標的とするようデザインされた.

方 法

第 3 相無作為化二重盲検多施設共同プラセボ対照並行群間試験において,囊胞性線維症で Phe508del CFTR 変異のホモ接合体を有する 12 歳以上の患者を対象に,テザカフトールとアイバカフトールの併用療法を評価した.患者を,テザカフトール 100 mg 1 日 1 回投与とアイバカフトール 150 mg 1 日 2 回投与を併用する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,24 週間投与した.予測 1 秒量(FEV1)に対する比率(%FEV1)の 24 週後の絶対値の変化量(パーセントポイントで算出)を主要評価項目とした.%FEV1 の 24 週後の相対的変化量(%で算出)を主な副次的評価項目とした.

結 果

無作為化した 510 例のうち,509 例がテザカフトール+アイバカフトールまたはプラセボの投与を受け,475 例が 24 週間の試験レジメンを完了した.ベースラインの平均 %FEV1 は 60.0%であった.テザカフトール+アイバカフトールは,%FEV1 の絶対値の変化量と相対的変化量に関して,プラセボと比較してそれぞれ 4.0 パーセントポイントと 6.8%の優越性を示した(いずれの比較も P<0.001).肺病変の増悪率は,テザカフトール+アイバカフトール群のほうがプラセボ群よりも 35%低かった(P=0.005).有害事象の発現率は両群で同程度であった.ほとんどの有害事象が軽度(全体で 41.8%)または中等度(全体で 40.9%)であり,重篤な有害事象の発現率は,テザカフトール+アイバカフトール群(12.4%)のほうがプラセボ群(18.2%)よりも低かった.全体で 2.9%が有害事象のため割り付けられたレジメンを中止した.呼吸器有害事象が発現した患者はテザカフトール+アイバカフトール群のほうがプラセボ群よりも少なく,またいずれも投与中止にはいたらなかった.

結 論

囊胞性線維症で Phe508del CFTR 変異のホモ接合体を有する 12 歳以上の患者において,テザカフトールとアイバカフトールの併用は有効かつ安全であった.(Vertex Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.EVOLVE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02347657)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 2013 - 23. )