The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

November 30, 2017 Vol. 377 No. 22

反復性片頭痛に対するエレヌマブの対照試験
A Controlled Trial of Erenumab for Episodic Migraine

P.J. Goadsby and Others

背景

カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体であるエレヌマブ(erenumab)を,反復性片頭痛の予防療法として検討した.

方 法

患者を,エレヌマブ 70 mg 群,エレヌマブ 140 mg 群,プラセボ群に無作為に割り付け,皮下注射で月 1 回,6 ヵ月間投与した.月の片頭痛日数の平均の,ベースラインから 4~6 ヵ月目までの変化量を主要評価項目とした.月の片頭痛日数の平均の 50%以上の減少,片頭痛急性期治療薬の使用日数の変化量,片頭痛の身体機能に対する影響日誌(MPFID;0~100 点に変換し,スコアが高いほど片頭痛が身体機能に与える負荷が大きいことを示す)の「身体機能障害」と「日常生活」の項目のスコア変化量を副次的評価項目とした.

結 果

955 例を無作為化し,317 例をエレヌマブ 70 mg 群,319 例をエレヌマブ 140 mg 群,319 例をプラセボ群に割り付けた.ベースラインの月の片頭痛日数の平均は全体で 8.3 日であったが,4~6 ヵ月目にはエレヌマブ 70 mg 群で 3.2 日減少し,140 mg 群で 3.7 日減少したのに対し,プラセボ群では 1.8 日の減少であった(プラセボとの比較で各用量とも P<0.001).月の片頭痛日数の平均が 50%以上減少した患者の割合は,エレヌマブ 70 mg 群で 43.3%,140 mg 群で 50.0%であったのに対し,プラセボ群では 26.6%であった(プラセボとの比較で各用量とも P<0.001).片頭痛急性期治療薬の使用日数は,エレヌマブ 70 mg 群で 1.1 日減少し,140 mg 群で 1.6 日減少したのに対し,プラセボ群では 0.2 日の減少であった(プラセボとの比較で各用量とも P<0.001).身体機能障害のスコアは,エレヌマブ 70 mg 群で 4.2 点改善し,140 mg 群で 4.8 点改善したのに対し,プラセボ群では 2.4 点の改善であった(プラセボとの比較で各用量とも P<0.001).日常生活のスコアは,エレヌマブ 70 mg 群で 5.5 点改善し,140 mg 群で 5.9 点改善したのに対し,プラセボ群では 3.3 点の改善であった(プラセボとの比較で各用量とも P<0.001).有害事象の発現率はエレヌマブとプラセボとで同程度であった.

結 論

エレヌマブ 70 mg または 140 mg を 1 ヵ月ごとに皮下投与すると,6 ヵ月間の片頭痛の発作頻度,片頭痛による日常生活への影響,片頭痛急性期治療薬の使用が有意に減少した.エレヌマブの長期の安全性と効果持続性については,さらなる研究が必要である.(Amgen 社,Novartis 社から研究助成を受けた.STRIVE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02456740)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 2123 - 32. )