The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 21, 2017 Vol. 377 No. 25

造血幹細胞移植におけるサイトメガロウイルスに対するレテルモビルの予防投与
Letermovir Prophylaxis for Cytomegalovirus in Hematopoietic-Cell Transplantation

F.M. Marty and Others

背景

サイトメガロウイルス(CMV)感染は依然として,同種造血幹細胞移植後にみられる頻度の高い合併症である.レテルモビル(letermovir)は CMV–ターミナーゼ複合体を阻害する抗ウイルス薬である.

方 法

第 3 相二重盲検試験で,18 歳以上の CMV 血清反応陽性移植レシピエントを,レテルモビル群とプラセボ群に 2:1 の割合で無作為に割り付け,移植後 14 週目まで経口投与または静脈内投与を行った.無作為化は試験施設と CMV 感染症リスクで層別化して行った.レテルモビルは 480 mg/日(シクロスポリンを投与中の患者は 240 mg/日)を投与した.臨床的に重要な CMV 感染(CMV 感染症または先制治療にいたる CMV ウイルス血症)を起こした患者は試験レジメンを中止し,抗 CMV 治療を受けた.無作為化時に CMV DNA が検出されなかった患者のうち,移植後 24 週目までに臨床的に重要な CMV 感染を起こした患者の割合を主要評価項目とした.試験を中止したか,24 週時点の評価項目のデータが欠損している患者は,主要評価項目のイベントが発生したとみなしてデータを補完した.患者を移植後 48 週間追跡した.

結 果

2014 年 6 月~2016 年 3 月に 565 例が無作為化され,移植後中央値 9 日目にレテルモビルまたはプラセボの投与を開始した.無作為化時に CMV DNA が検出されなかった 495 例のうち,移植後 24 週目までに臨床的に重要な CMV 感染を起こしたか,主要評価項目のイベントが発生したとみなしてデータを補完した患者は,レテルモビル群のほうがプラセボ群よりも少なかった(325 例中 122 例 [37.5%] 対 170 例中 103 例 [60.6%],P<0.001).有害事象の発現頻度と重症度は全体的に 2 群で同程度であった.嘔吐がレテルモビル投与例の 18.5%,プラセボ投与例の 13.5%で報告され,浮腫がそれぞれ 14.5%と 9.4%,心房細動または心房粗動がそれぞれ 4.6%と 1.0%で報告された.骨髄毒性イベントの発生率と腎毒性イベントの発生率は,レテルモビル群とプラセボ群とで同程度であった.移植後 48 週目の全死因死亡率は,レテルモビル群のレシピエントでは 20.9%,プラセボ群のレシピエントでは 25.5%であった.

結 論

レテルモビルの予防投与により,臨床的に重要な CMV 感染のリスクがプラセボと比較して有意に低下した.レテルモビルによる有害事象は大部分がグレードの低いものであった.(Merck 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02137772,EudraCT 登録番号 2013-003831-31)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 2433 - 44. )