The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 6, 2017 Vol. 377 No. 1

心不全における突然死リスクの低下
Declining Risk of Sudden Death in Heart Failure

L. Shen and Others

背景

収縮能の低下した症候性心不全患者の突然死リスクは,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬,β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬などの薬物治療の導入に伴い,変化してきている.われわれはこの動向を詳細に検討した.

方 法

収縮能の低下した心不全を有し,1995~2014 年に行われた 12 件の臨床試験のいずれかに登録された 40,195 例のデータを解析した.登録時に植込み型除細動器が植え込まれていた患者は除外した.重み付き多変量回帰を用いて,突然死の発生率の経時的な動向を検討した.各試験群の突然死の補正ハザード比を Cox 回帰モデルを用いて算出した.突然死の累積発生率を,無作為化後の複数の時点で算出し,また,心不全の診断から無作為化までの期間の長さ別に算出した.

結 果

突然死は 3,583 例で発生した.突然死を起こした患者は,起こさなかった患者と比較して高齢で,男性が多く,心不全の原因が虚血性であり,心機能が低下していた.突然死の発生率は試験全体で 44%低下した(P=0.03).無作為化後 90 日の時点での突然死の累積発生率は最初期の試験で 2.4%,最近の試験で 1.0%であった.心不全の診断後間もない患者は,診断後長期間経過している患者と比較して,突然死の発生率は高くなかった.

結 論

臨床試験に登録された,収縮能の低下した外来心不全患者での突然死の発生率は,経時的に大幅に低下した.この結果は,この死因に対するエビデンスに基づく薬物治療の累積的な利益と一致している.(中国国家留学基金管理委員会,グラスゴー大学から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 41 - 51. )