The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

August 10, 2017 Vol. 377 No. 6

鼻咽頭癌スクリーニングのための血漿中エプスタイン・バーウイルス DNA 解析
Analysis of Plasma Epstein–Barr Virus DNA to Screen for Nasopharyngeal Cancer

K.C.A. Chan and Others

背景

血中の無細胞エプスタイン・バーウイルス(EBV)DNA は,鼻咽頭癌のバイオマーカーである.われわれは,無症状の人の早期鼻咽頭癌スクリーニングに,血漿検体中の EBV DNA の解析が有用であるかどうかを検討する目的で,前向き研究を行った.

方 法

鼻咽頭癌の症状がない参加者のスクリーニングを行うため,血漿検体中の EBV DNA を解析した.初回の解析で陽性であった例を約 4 週後に再検査し,陽性が持続していた例には鼻咽頭の内視鏡検査と MRI を行った.

結 果

20,174 例にスクリーニングを行った.EBV DNA は,1,112 例(5.5%)の血漿検体で検出され,再検査では 309 例(全体の 1.5%,初回陽性例の 27.8%)で陽性が持続していた.309 例のうち,300 例が内視鏡検査を受け,275 例が内視鏡検査と MRI の両方を受け,34 例に鼻咽頭癌が認められた.スクリーニングで同定された鼻咽頭癌のステージが I または II である参加者の割合は,歴史的コホートより有意に高く(71% 対 20%,χ2 検定で P<0.001),3 年無増悪生存率も優れていた(97% 対 70%,ハザード比 0.10,95%信頼区間 0.05~0.18).9 例がその後の検査を拒否し,うち 1 例は,登録から 32 ヵ月後に進行期鼻咽頭癌で受診した.血漿検体中の EBV DNA が陰性で,検査後 1 年以内に鼻咽頭癌が発生したのは 1 例のみであった.鼻咽頭癌スクリーニングにおける血漿検体中の EBV DNA の感度は 97.1%,特異度は 98.6%であった.

結 論

血漿検体中の EBV DNA の解析は,早期の無症候性鼻咽頭癌スクリーニングに有用であった.スクリーニングで同定された参加者は,歴史的コホートの参加者と比較して鼻咽頭癌が有意に早期に検出され,転帰も良好であった.(カドゥーリ慈善財団,香港政府研究助成金審議会から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02063399)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 513 - 22. )