The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

January 4, 2018 Vol. 378 No. 1

障害と梗塞体積が一致しない脳梗塞の発症後 6~24 時間での血栓除去術
Thrombectomy 6 to 24 Hours after Stroke with a Mismatch between Deficit and Infarct

R.G. Nogueira and Others

背景

脳梗塞の発症後 6 時間を過ぎてから行う血管内血栓除去術の効果は明らかにされていない.梗塞体積に比して障害が非常に重症である患者は,発症後 6 時間を過ぎていても血栓除去術が有益である可能性がある.

方 法

頭蓋内内頸動脈または近位中大脳動脈の閉塞を起こし,最後に健康状態が良好であったのが 6~24 時間前であることがわかっており,障害の重症度と梗塞体積が一致しない患者を登録した.不一致の基準は年齢ごと(80 歳未満または 80 歳以上)に定義した.患者を,血栓除去術と標準治療を併用する群(血栓除去術群)と,標準治療のみを行う群(対照群)に無作為に割り付けた.90 日の時点での,効用値で重み付けした修正 Rankin スケール(0 [死亡]~10 [症状・身体障害なし])の障害スコアの平均と,機能的に自立している(修正 Rankin スケール [0~6 で,スコアが高いほど障害が重症であることを示す] で 0,1,2)割合を複合主要評価項目とした.

結 果

206 例を登録し,107 例を血栓除去術群,99 例を対照群に割り付けた.事前に規定した中間解析の結果を受けて,31 ヵ月の時点で試験への登録を中止した.90 日の時点で,効用値で重み付けした修正 Rankin スケールのスコアの平均は,血栓除去術群では 5.5 であったのに対し,対照群では 3.4 であり(補正後の差 [ベイズ解析] 2.0 ポイント,95%信用区間 1.1~3.0,優越性の事後確率>0.999),機能的に自立している割合は,血栓除去術群では 49%であったのに対し,対照群では 13%であった(補正後の差 33 パーセントポイント,95%信用区間 24~44,優越性の事後確率>0.999).症候性頭蓋内出血の発生率に群間で有意差は認められず(血栓除去術群 6%,対照群 3%,P=0.50),90 日死亡率にも有意差は認められなかった(血栓除去術群 19%,対照群 18%,P=1.00).

結 論

急性期脳梗塞を発症し,最後に健康状態が良好であったのが 6~24 時間前であることがわかっており,障害と梗塞体積が一致しない患者では,血栓除去術と標準治療を併用したほうが,標準治療のみを行うよりも 90 日の時点での障害の転帰が良好であった.(Stryker Neurovascular 社から研究助成を受けた.DAWN 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02142283)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 11 - 21. )