The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 29, 2018 Vol. 378 No. 13

マントル細胞リンパ腫の治療に対するイブルチニブとベネトクラクスの併用
Ibrutinib plus Venetoclax for the Treatment of Mantle-Cell Lymphoma

C.S. Tam and Others

背景

マントル細胞リンパ腫の治療において,BTK 阻害薬イブルチニブと BCL2 阻害薬ベネトクラクス(venetoclax)はいずれも単剤で有効である.各剤を長期継続療法として投与したときの完全奏効率は,いずれも 21%と報告されている.前臨床モデルから,併用による相乗効果が予測されている.

方 法

単群第 2 相試験で,患者にイブルチニブとベネトクラクスを連日経口投与し,歴史的対照と比較した.まずイブルチニブを単剤で 1 日 1 回 560 mg 投与した.4 週間後にベネトクラクスを追加し,1 日 400 mg まで毎週漸増した.両剤の投与は,進行または忍容できないレベルの有害事象が認められるまで継続した.16 週の時点での完全奏効率を主要評価項目とした.骨髄のフローサイトメトリーと,血液のアレル特異的オリゴヌクレオチド–ポリメラーゼ連鎖反応(ASO-PCR)を行い,微小残存病変(MRD)を評価した.

結 果

再発または難治性のマントル細胞リンパ腫患者(23 例)または未治療のマントル細胞リンパ腫患者(1 例)の計 24 例を試験に組み入れた.患者の年齢は 47~81 歳であり,過去の治療歴は 0~6 種類であった.患者の半数に TP53 の異常があり,75%が予後予測スコアで高リスクに分類された.16 週の時点で CT により評価した完全奏効率は 42%であり,イブルチニブ単剤療法を受けた歴史的対照における同時点での完全奏効率 9%よりも高かった(P<0.001).16 週の時点で陽電子放射断層撮影(PET)により評価した完全奏効率は 62%であり,全奏効率は 71%であった.MRD の消失が確認された割合は,フローサイトメトリーでは 67%,ASO-PCR では 38%であった.生存時間(time-to-event)解析では,奏効例の 78%で 15 ヵ月の時点で奏効が持続していると予測された.2 例が腫瘍崩壊症候群を発症した.頻度の高かった副作用はグレードが概して低く,下痢(患者の 83%),倦怠感(75%),悪心または嘔吐(71%)などであった.

結 論

歴史的対照を用いたこの試験では,現行の治療では転帰不良が予測されたマントル細胞リンパ腫患者において,イブルチニブとベネトクラクスの併用により BTK と BCL2 の 2 つを標的化することで,転帰改善に相当する結果が得られた.(Janssen 社ほかから研究助成を受けた.AIM 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02471391)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1211 - 23. )