The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 5, 2018 Vol. 378 No. 14

癌性胸水に対する留置胸腔カテーテルを用いた外来でのタルク投与
Outpatient Talc Administration by Indwelling Pleural Catheter for Malignant Effusion

R. Bhatnagar and Others

背景

欧州・米国全体で,毎年 750,000 例以上が癌性胸水を呈する.入院患者におけるタルク投与を用いた胸膜癒着術がもっとも一般的な治療法であるが,ドレナージ目的で留置する胸腔カテーテルも外来での選択肢である.われわれは,留置胸腔カテーテルを介したタルク投与が,留置胸腔カテーテル単独よりも胸膜癒着の誘導に効果が高いかどうかを検討した.

方 法

英国の 18 施設で,癌性胸水を呈する患者を 4 年にわたり募集した.胸腔カテーテル留置後,患者は外来で定期的にドレナージを受けた.10 日の時点で,高度な肺のエントラップメント(肺または臓側胸膜の線維化や気管支閉塞のため,肺の拡張と,臓側胸膜と壁側胸膜の接触が不可能な,肺の拡張障害)の所見が認められない場合に,患者を,外来で留置胸腔カテーテルを介して 4 g のタルク懸濁液を投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.タルクまたはプラセボの投与は単盲検で行った.追跡は 70 日間継続した.無作為化後 35 日の時点で得られた胸膜癒着を主要評価項目とした.

結 果

584 例に試験参加を勧めた後,無作為化の目標例数 154 例に達した.35 日の時点で,効果的な胸膜癒着はタルク群の 69 例中 30 例(43%)で認められたのに対し,プラセボ群では 70 例中 16 例(23%)で認められた(ハザード比 2.20,95%信頼区間 1.23~3.92,P=0.008).胸水の量と複雑性,入院日数,死亡率,有害事象の件数に,群間で有意差は認められなかった.タルク群では,留置胸腔カテーテル閉塞の有意な増加は認められなかった.

結 論

高度な肺のエントラップメントが認められない患者において,癌性胸水の治療を目的とする留置胸腔カテーテルを介した外来でのタルク投与は,留置胸腔カテーテル単独と比較して,35 日の時点で胸膜癒着が得られる可能性が有意に高く,有害作用は認められなかった.(Becton Dickinson 社から研究助成を受けた.EudraCT 登録番号 2012-000599-40)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1313 - 22. )