January 11, 2018 Vol. 378 No. 2
多囊胞性卵巣ではない女性の体外受精における新鮮胚移植と凍結胚移植との比較
IVF Transfer of Fresh or Frozen Embryos in Women without Polycystic Ovaries
L.N. Vuong and Others
体外受精(IVF)を受ける女性のうち,多囊胞性卵巣症候群による不妊症例では,凍結胚移植を行った場合に,新鮮胚移植を行った場合よりも生児出生率が高くなることが示されている.多囊胞性卵巣症候群によらない不妊症例が,凍結胚移植により同様の利益が得られるかどうかは不明である.
1 回目または 2 回目の IVF 周期を予定している多囊胞性卵巣症候群ではない不妊女性 782 例を,採卵後 3 日目に,凍結胚を移植する群と新鮮胚を移植する群に無作為に割り付けた.凍結胚群では,グレード 1 と 2 の胚をすべて凍結保存し,最大 2 個を,続く周期の移植日に融解した.新鮮胚群では,最大 2 個の新鮮胚を刺激周期中に移植した.胚移植後の妊娠継続を主要転帰とした.
1 回目の周期が終わった時点で,妊娠の継続は,凍結胚群 391 例中 142 例(36.3%),新鮮胚群 391 例中 135 例(34.5%)に認められた(凍結胚群のリスク比 1.05,95%信頼区間 [CI] 0.87~1.27,P=0.65).1 回目の移植後の生児出生率は,それぞれ 33.8%,31.5%であった(リスク比 1.07,95% CI 0.88~1.31).
IVF を予定していた多囊胞性卵巣症候群ではない不妊女性のうち,凍結胚移植を行った例では,新鮮胚移植を行った例と比較して,妊娠継続率も生児出生率も有意に高くはならなかった.(ミードゥック病院から助成を受けた:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02471573)