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April 12, 2018 Vol. 378 No. 15

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有症状のジカウイルス感染男性の精液中へのウイルス排出
Zika Virus Shedding in Semen of Symptomatic Infected Men

P.S. Mead and Others

背景

ジカウイルス(ZIKV)は,有害な出生転帰との関連が示されている蚊媒介性の新興フラビウイルスである.先行報告では,性行為によってヒトからヒトへの伝播が起こる可能性が示されている.

方 法

有症状の ZIKV 感染男性を対象に,ZIKV の精液中・尿中への排出の頻度と期間を明らかにし,このような体液中への排出が長期化する危険因子を同定することを目的として前向き研究を行った.発症後 6 ヵ月間に検体を月 2 回採取し,ZIKV RNA をリアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法で,感染性ZIKV をベロ細胞培養を用いたプラークアッセイで検査した.

結 果

発症から 14~304 日後に,精液は 184 例で 1,327 検体,尿は 183 例で 1,038 検体採取された.ZIKV RNA は 7 例(4%)の尿検体と 60 例(33%)の精液検体で検出され,このうち発症後 30 日以内に精液検体が検査された 36 例では 22 例(61%)で検出された.精液中への ZIKV RNA 排出は,発症後 3 ヵ月間で大幅に減少したが,1 例(1%)では 281 日間持続した.RNA 排出の長期化に独立して関連していた因子は,年齢が高いこと,射精回数が少ないこと,発症時に特定の症状が認められたことであった.感染性 ZIKV は ZIKV RNA が検出された精液 78 検体のうち 3 検体で分離され,これらの 3 検体はすべて発症後 30 日以内に採取され,精液中の ZIKV RNA 量が 7.0 log10 コピー/mL 以上であった.

結 論

ZIKV RNA は有症状の ZIKV 感染男性の精液中に高頻度に存在し,6 ヵ月以上残存する男性もいた.一方,感染性 ZIKV の排出の頻度ははるかに低いとみられ,発症後数週間に限られた.(米国疾病管理予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1377 - 85. )