The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 18, 2018 Vol. 378 No. 3

ベトナムにおける結核患者発見のための家庭内接触者調査
Household-Contact Investigation for Detection of Tuberculosis in Vietnam

G.J. Fox and Others

背景

積極的症例発見は結核の世界的制圧のための最優先事項であるが,有病率の高い状況での有効性を裏付ける質の高いエビデンスは少ない.ベトナムにおいて,家庭内接触者調査の有効性を,標準的な受動的症例発見単独と比較評価することを試みた.

方 法

ベトナムの 8 省の 70 地区(平均人口が都市部で約 50 万人,農村部で約 10 万人の地方行政区)の診療所で,クラスター無作為化比較試験を行った.各地区の診療所または病院に勤務する医療従事者を,標準的な受動的症例発見に加えて家庭内接触者に介入を行う群(介入群)と,受動的症例発見のみを行う群(対照群)のいずれかに割り付けた.介入を行った地区では,喀痰塗抹顕微鏡検査で結核陽性(塗抹陽性結核)であった患者の家庭内接触者を,ベースラインと 6 ヵ月,12 ヵ月,24 ヵ月の時点で来院させ,臨床評価と胸部 X 線検査を行った.結核患者の家庭内接触者における結核登録症例の 2 年累積発生率を主要評価項目とした.

結 果

選択された 70 地区で,塗抹陽性肺結核患者 10,964 例の家庭内接触者 25,707 例を登録した.介入群の 36 地区で,結核として登録された家庭内接触者は 10,069 例中 180 例(人口 10 万人あたり 1,788 例)であったのに対し,対照群では 15,638 例中 110 例(10 万人あたり 703 例)であった(介入群における主要評価項目の相対リスク 2.5,95%信頼区間 [CI] 2.0~3.2,P<0.001).介入群の家庭内接触者における塗抹陽性結核の相対リスクは 6.4(95% CI 4.5~9.0)であった(P<0.001).

結 論

標準的な受動的症例発見と家庭内接触者調査の併用は,標準的な受動的症例発見単独と比較して,2 年の時点で,有病率の高い状況での結核患者の発見における有効性が高かった.(オーストラリア国立保健医療研究審議会から研究助成を受けた.ACT2 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12610000600044)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 221 - 9. )