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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 17, 2004
Vol. 350 No. 25

ORIGINAL ARTICLE

  • 脂肪吸引と代謝危険因子
    Liposuction and Metabolic Risk Factors

    脂肪吸引と代謝危険因子

    この研究では,腹部肥満女性において,腹部の大量脂肪吸引が冠動脈心疾患の代謝危険因子に与える効果を評価した.脂肪吸引では,インスリン感受性,C 反応性蛋白,インターロイキン 6,TNF-α,アディポネクチンの血漿濃度はいずれも変化しなかった.冠動脈心疾患の他の危険因子に対しても,有意な効果は認められなかった.
    減量でみられる代謝面への利益を得るには,手術ではなく,エネルギーバランスを負にすることで体重を減少させることが重要である.

  • 男性と女性の再発性静脈血栓塞栓症のリスク
    The Risk of Recurrent Venous Thromboembolism in Men and Women

    静脈血栓塞栓症の初回エピソード後,一連の経口抗凝固薬療法を完了した成人,800 例以上を対象とした追跡研究では,再発性静脈血栓塞栓症のリスクは,女性よりも男性で高かった.
    再発リスクに男女差が生じるメカニズムは不明であるが,この知見は,今後の研究で単独で確認されれば,特発性静脈血栓塞栓症の既往がある患者に対するアプローチに,影響を与える可能性がある.

  • 筋骨格組織同種移植片からの感染
    Infections from Musculoskeletal- Tissue Allografts

    この調査では,死体軟骨移植後に敗血症で死亡した 23 歳の男性を含め,同種組織片移植後にクロストリジウムに感染した重症患者 14 例を同定した.これらの感染は,同一の組織バンクから提供された腱や軟骨の移植片を介して伝播していた.
    現在,筋骨格組織を提供する組織バンクに対する監視はほとんど行われておらず,組織を,確実に殺菌される方法で処理することを求める規制はない.

  • 活動性関節リウマチ患者におけるリツキシマブの有効性
    Efficacy of Rituximab in Patients with Active Rheumatoid Arthritis

    リツキシマブは,CD20+ B 細胞を選択的に減少させるモノクローナル抗体である.メトトレキサートによる治療にもかかわらず管理不良な関節リウマチ患者を組み入れたこの無作為試験では,リツキシマブが,関節リウマチの症状を軽減させる魅力的な新しい治療法であることが明らかになった.しかし,一部の症例ではリツキシマブの投与により重篤な感染症が発生した.

CLINICAL PRACTICE

  • 緩和ケア
    Palliative Care

    NYHA 分類 IV 度の心不全,高血圧症,中等度のアルツハイマー病を有する 85 歳の男性が,股関節骨折後に入院した.男性は 84 歳の妻と自宅で暮らしていた.術後の経過中に,肺炎,せん妄,踵部および仙骨部の褥瘡,体重減少を合併した.担当医は,男性の要求に応え,苦痛を緩和し,退院・在宅ケアを支援するために何ができるであろうか?

DRUG THERAPY

  • 関節リウマチの治療方針
    Therapeutic Strategies for Rheumatoid Arthritis

    関節リウマチの病態生理学の解明がすすみ,疾患の早期治療を目標とした有力な臨床試験が行われたことで,治療法に変化が起きている.この論文では,早期診断・早期治療,疾患修飾性抗リウマチ薬とサイトカインを標的とした薬剤の併用療法の出現,とくに心血管疾患や骨粗鬆症といった重大な併存疾患の認識と治療などの,際立って良好な臨床転帰をもたらしている取り組みについて考察している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 疲労と好酸球増加を呈する 12 歳の少年
    A 12-Year-Old Boy with Fatigue and Eosinophilia

    疲労と好酸球増加を呈する 12 歳の少年

    少年が,重度の疲労が 1 週間続いたため主治医の診察を受けた.少年には,微熱,筋肉痛,胸痛がみられたが,消化器や呼吸器の症状はみられなかった.また,薬は服用しておらず,既知のアレルギーもなかった.全血球測定で顕著な好酸球増加が明らかになったが,ほかに異常は認められなかった.