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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 26, 2006
Vol. 354 No. 4

  • 喫煙に関連した肺癌リスクの民族・人種差
    Ethnic and Racial Differences in the Smoking-Related Risk of Lung Cancer

    前向きに調査した対象者約 184,000 人の集団において,喫煙本数と民族的・人種的背景に基づく肺癌リスクが確認された.喫煙本数が 1 日 30 本以下の対象者では,肺癌の相対リスクは,白人,ラテン系アメリカ人,日系アメリカ人と比較し,アフリカ系アメリカ人とハワイ先住民においてもっとも高かった.

    • 高齢ドナーからの腎移植における長期治療成績
      Long-Term Outcome of Renal Transplantation from Older Donors

      移植前の組織学的評価(実質,血管,その他の異常の有無)を基に,60 歳を超えるドナーの腎臓を片方または両方移植されたレシピエントの治療成績を,高齢または若年ドナーの組織学的に評価されていない腎臓を片方移植された,マッチさせたレシピエントの治療成績と比較した.高齢ドナーから,移植前の生検結果に基づいて片方または両方の腎臓を移植した場合,生着率と機能が優れていた.

      • 心臓手術におけるアプロチニンと関連したリスク
        The Risk Associated with Aprotinin in Cardiac Surgery

        抗線溶薬であるアプロチニンは,心臓手術を受ける患者に対して,失血コントロールの目的でよく使用される.この観察研究から,アプロチニンの使用は,重篤な標的臓器障害のリスク増加と関連することが明らかになった.心臓手術を受ける患者には,アプロチニンの代りにアミノカプロン酸やトラネキサム酸を用いるべきである.

      • SPECIAL ARTICLE

        • 外傷センターでの治療の効果に関する全米調査
          A National Study of the Effectiveness of Trauma-Center Care

          米国 14 州におけるこの研究では,レベル 1 の外傷センターのある病院と外傷センターのない病院で,中等度~重度の外傷のある患者の死亡率を比較した.患者特性に関するベースラインの相違について補正後,1 年死亡率は,外傷センターのほうが外傷センター以外よりも有意に低かった(10% 対 14%).

        CLINICAL PRACTICE

        • 造影剤腎症を予防する
          Preventing Contrast Nephropathy

          2 型糖尿病と高血圧を有する 71 歳の男性が,冠動脈造影のために紹介されてきた.服用している薬剤はメトホルミンとチアジドである.血管造影前の血清クレアチニン値は 1.8 mg/dL(160 μmol/L)で,糸球体濾過率は 40 mL/分/1.73 m2 体表面積と推定される.血管造影剤による腎機能悪化のリスクを低減させるために,何ができるであろうか?

        • 動脈瘤性くも膜下出血
          Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage

          頭蓋内動脈瘤の破裂は,外傷に起因しないくも膜下出血の主な原因である.この総説では,診断確定法と,血管内コイル塞栓術などの治療選択肢を概説している.管理上よくみられる問題は,血管攣縮,水頭症,再出血などである.

        • CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

          • 黄疸と膵腫瘤を有する 63 歳の女性
            A 63-Year-Old Woman with Jaundice and a Pancreatic Mass

            ドミニカ共和国から移住して間もない 63 歳の女性が,最近,暗色尿,そうよう瘙痒,心窩部痛がみられるとして受診した.画像検査では,膵頭部の複雑な嚢胞性腫瘤と,総胆管の狭窄が認められた.閉塞部にステントを留置後,黄疸は消失した.その 2 ヵ月後に膵腫瘤は消失したが,新たな腹腔内リンパ節腫脹が出現した.診断手技が行われた.